ヒョクちゃん、お誕生日おめでとう🎉🎂
これからも、ヒョクちゃんが笑顔で自分のしたいことが出来ますように。
健康に気を付けてね。
ドンヘちゃんと仲良くね。
🎉🎂🕯️🎁🎊--㊗️38--🎊🎁🕯️🎂🎉
俺達の船出は、思い描いていたような順風満帆ではなかった。
港に停泊して、たくさんの人に見送ってもらった。
もしかしたら、俺達が別の船を作ったから、吹けば飛ぶようなちっちゃな船だけど。
誰も見送りになんか来てくれないと思っていたんだ。
でも、美人の兄さんも、口は悪いが誰よりも弟達の事を気にかけてくれている兄さんも、俺がいたずらして怒らせる自己管理に厳しい兄さんも、何かにつけて俺達を手伝ってくれた兄さんも、同い年なのに国会議員に見えてしまうあいつも、本当に歌が上手くてダンスが独特な弟も、俺達が新しい船を作る時自分は船は作らないけど別の船に乗って世界一周をする旅に出てみたいと言った弟も、みんな、見送りに来てくれた。
みんながサファイアブルーのテープを投げてくれて、俺達も必死でそれを掴まえて出港した。
でも、港を出ていきなりの横風にまるで本当に木葉の様にクルクルと回った。
転覆しそうになった。
そうなってもおかしくないほどの突風だ。
その強風の原因が自分にあるかもと、お前は、「ごめん。」と泣いた。
「俺が、新しい船に乗りたいと言ったから、ヒョクをこんな怖い目に合わせてしまって…」
「お前のせいじゃない。俺達が、2人で決めたことだ。」
「心配するな、大丈夫だ。俺がいるから。」
「俺が、ドンヘ、お前を守るから。」
きれいな瞳に涙をいっぱい貯めて
「ホント?」
「本当だよ。」
その涙を人差し指で拭って、俺は俺の唇にそっと付ける。
それが合図のように、お前が俺の唇にむしゃぶりついてくる。
怖さを忘れるように、俺達は愛し合った。
この広い世界に俺達2人だけ。
それを確認するかのように愛し合った。
小さな毛布にくるまって、肌を寄せあって眠った。
さっきまでの嵐が嘘のように船の回りは凪いでいる。
いつの間にか目覚めたお前が
「ねぇ、見て、太陽が昇るよ。」と俺の体を揺らしながら
大きく開かれ窓を指さして、朝日に照らされた綺麗な顔を俺に向けてはしゃいでいる。
俺は、口笛を吹きながらお前の肩を抱く。
出来れば、嵐なんて避けることが出来るならその方がいいに決まっている。
でも、俺は、嵐もそんなに悪くはないと思った。
俺とお前。
この世界に2人で生きていることを実感することが出来たから。
「そうだな。」
ふと、壁に掛けた時計に目をやると
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