「やっぱり、100均で買っておいて正解だったわ。」
「え~、どうして教えてくれなかったのよ。」
「だって違ってたら困るから…」
「それにしても、雑巾が100均で売っているとはね。」
「今や100均で売っていない物はないわよね。」
俺は、さっきから時々聞こえて来るママ達の会話を耳をダンボにして聞いていた。
ちょっと、ナニソレ!
えっ~~!
雑巾100均で売ってるのぉ~!
そして、思わず
「すみません、雑巾100均で売ってるんですか?」と小声でその会話の中に割って入ってしまう。
急に、それも俺(王妃様)から話しかけられそのママはビックリした顔で
「はい、売ってます。でも、もしかしたら、その……他の小学校でも雑巾を持って来いって……だから、売り切れかも、ないかもしれません。」と申し訳なさそうに答えてくれる。
「えっ、売り切れですか?」
売り切れ!
そんな事を考えてもいなかった俺は驚いた。
「いや~、その決まったわけではないので、お帰りの際に寄られてみてはいかがですか?」と別のママがフォローしてくれる。
そのママをまた別なママが肘で突っつきながら
「そうです。何軒か回られたあるかもしれませんし、ないかもしれませんし……」とよくわかんない事を言っている。
「ありがとうございました。とにかく100均に行ってみますね。」
「はい、頑張ってください。ファイティン✊」
俺も思わず「ファイティン✊」と言ってしまう。
「もう、あなた、王妃様に《ファイティン✊》はないでしょ?」と俺に《ファイティン✊》と言ったママが責められている。
「でもさ、王妃様も私達と同じように雑巾を探し回ってるって思ったら、つい親近感がわいてしまって。」
「わかるけどさ、相手は王妃様なのよ。帰りにSPの人とかになんか言われたりしない?」
「えっ、なんて?」
「《王妃様にむかって、ファイティン✊っていうのは何事ですか!》(怖そうな男の人の物真似で)って言ってどこか連れていかれたりしない?」
「え~、マジ!」
「あるよ、それ、あるかも。」
「そんな……」
「すみません。絶対にありませんから。」
「王様~!」
「もし、そんなことをしたら俺がぶっ飛ばしますから。安心して下さい。履いてます。」
「ぷッ!」
最後は違うけどシウォナがママ達に言ってくれる。
ママ達がシウォナにキュン💕っとなっている。
こんな時のシウォナはマジにカッコいい💕
キュン💕となるママの気持ちわかります。
「シウォナ、ありがとう。助かる。帰りに100均に寄ってね。」
「お安い御用だ。任せておけ。で、今晩どう?」
「イタッ!」
思わず、シウォナの足を踏む。