ドスッ



「痛ッ、ナニするんだよ💢」思わず大声を出してしまった。


見るとハルが俺の背中に乗っている。

毛布を被っていたからいいものの、直だとちょっとそのいろいろ問題が……

でも、これって朝シウォナがどうしても起きない時にハルにお願いしてやってもらうやつなんだけど、どうして、俺に?


「ママ、起きた?」とヒョクとドンヘが俺の顔を下から覗き込んで来る。

ハルも「ママ、起きて。」って肩を揺さぶって来る。


「わかった、起きる。起きるよ。」


シウォナが俺の背中に乗ったハルを抱き上げながら

「なぁ、パパが言った通りだろう。ハルがドスンと飛んで来ると絶対に目が覚めるんだって。」とヒョクとドンヘに言っている。


確かに、ハルが落ちて来たら目が覚める。

でも、気を付けないと俺も怪我をするけど、ハルがベッドやソファーのクッションの加減で飛ばされて怪我をするかもしれないから、もうこの荒業は金輪際封印だ。


「で、なんでこんなことするんだよ。痛いし危ない。」


俺の文句を聞いたシウォナが「自分が痛い思いをしたからって、俺には散々同じ事をしてきた癖に、自分が同じ目に合うと手のひら返しなんだ。俺がどれだけ痛かったやっとわかったか。」


クソー、シウォナのヤツ、ここでそれを言うか。

俺だって、普通なら、まぁ、今は………


「で、さっきも言ったけど、なんでこんなことをしたの?」

「ママを起こすため。」ドンヘがしごくまともな答えを

「だって、僕達何回も、ママ、 " 起きて "って言ったのにママ全然起きないんもん。」ヒョクもシンプルイズベストっていう答えを



「でも、そうまでして2人はママをどうして起こそうと思ったの?(俺は直ぐに時計をチラッと見た。もうすぐ3時だ)おやつ?おやつだったらバアヤに言えば出してくれるよね。ママじゃなきゃいけない?」



《えっ~》という顔をして2人が顔見合わせている。


「ナニナニ、そんなに大事なこと?」


「いいんだとさ、ママ。」とシウォナが意地悪く言う。


「いいの?ママ。」とヒョクが再度俺に尋ねる。

俺はなんのことだかサッパリわからないから「ナニ?教えてよ。」って2人にお願いする。



「ママ、キュヒョンおじちゃんのハイタッチ会に当たったんだよ。」とドンヘが教えてくれたけど


ハイタッチ会?

当選?

えっ、ナンノコト?


チョットマテヨ。

確かにキュヒョニオッパの「Restart 」を買って応募して当選するとハイタッチ会に行けることにはなっている。

恥ずかしながら、俺応募したけど、ハズレた。

当選メールが来る時間になるとソワソワドキドキして、何度もスマホをのぞいてはダメだってことを思い出した。

ぞくぞく上がって来るXで、当選した人が喜びのXを上げていて、それを見た俺は落選を確信した。


まぁ、2バージョンあって、俺はその内の1つ《START 》しか買っていないから、やっぱり、本気でハイタッチ会に参加したいのなら何セットも買って応募しないとダメだよなって思っていたのに。


「キュヒョナ、忘れちゃった?」ハルを抱っこしたままのシウォナが俺に尋ねる。

「えっ。」

「キュヒョナの誕生日に俺、あいつのアルバムをバースデープレゼントとして渡したろう。」



俺が2バージョンあって、俺は《START 》を予約したよ。って言ったら、じゃあ俺はもう1つのを予約してあげるって言ってくれて、確かにシウォナから《REady》をバースデープレゼントとしてもらった。


「ねぇ、もしかして、俺の名前で申し込んでくれたの?」


エクボ満開の笑顔で頷いている。


「ありがとう、シウォナ。大好き~。」ハルを抱っこしているにも拘わらずシウォナに、俺が抱き付く。

俺とシウォナにサンドイッチされたハルが「ママ、よかったね。」と言ってくれる。


「それで、何時からなの?」

「16時から。」

「えっ、もう1時間もないじゃん。」

「受付は13時からで、集合時間は15時50分。時間厳守だって。遅れたダメなんだって。」

「だったら、その事をなんで言ってくれないんだよ。」

「俺、言ってなかったか?」

「聞いてない💥聞いてたら昼寝なんてしない。」

「そうだよな。だから、必死になって起こしたんだよ。」

俺は怒りたいのをグッと我慢した。

だって、ハイタッチ会に行けるのはシウォナのお陰なんだから。

それにケンカをしている時間がもったいない。

「用意しなきゃ。」



「身分証明書が必要だって書いてあるぞ。顔写真付だってさ。」


とにかくこのダルダルのトレーナーから一刻も早く着替えなければ。

そこで俺がチョイスしたハイタッチ会用コーディネート。

ブルーのアーガイル模様のセーターにブラックジーンズに黒のハーフコートにリュック。


「運転免許証でいいよね。」

「髪ボサボサじゃん。どうしよう?」



「時間ないぞ。」

「わかってるけど、ボサボサ。」


「ママ、いつも可愛いから、大丈夫だよ。」ヒョクとドンヘが言ってくれる。

「そうかな?」

「かわいい。」ハルも言ってくれる。

しょうがない手櫛でササっと。


「おーい、キュヒョナ~。早く来いよ~。」シウォナが車の中から叫んでいる。


「じゃあ、ママ行って来るね。」

「うん、行ってらっしゃい。」

「ママ、キュヒョンおじちゃんの匂い嗅いで来て~。」

「クンクンって。ダメだよ。怒られちゃうよ。ハイタッチ出来ずに外につまみ出されてしまうから。」

「残念。」

「とにかく、行ってくるね。」

「うん、バイバイ。」子供達に見送られて俺はハイタッチ会へ




車の中でシウォナからスマホをもらって、注意事項を読みながら集合場所へ。

俺達が揃っていると混乱のもとだから、俺が近くで車を降りて一人で向かう。



なんとか、無事に受付を済ませて時間までの間、「Restart 」の写真が置かれていたからスマホで写真を撮る。


可愛いおしゃれした女の子や綺麗な女性の中で、男の俺は浮きまっくている。

やっぱり、場違いだ。

帰った方がいいのかな。

でも、こんなチャンス二度とないかもしれないから帰っちゃダメだ。

せっかく申し込んでくれたシウォナに悪い。



係の人が列を作る準備をしている。

だんだんドキドキして来た。


「もう少し、壁際に寄って下さい。」

「最後尾はここです。」

俺は受付番号順に並ぶものだと思っていたけど、そうじゃなくて並んだ順だ。


俺は多分真ん中ぐらいだ。


係の人が「お荷物は自分で管理して下さい。スマホはカバンに仕舞ってください。」と注意事項を言っている。


ハイタッチ会がスタートした。

列がだんだん進んで行く。


ハイタッチをした人がみんな笑顔で出口から出てくる。

本当に幸せそうな顔をしている。

タッチしてもらった手を見ている。


列が進んで、キュヒョニオッパの姿が見えた。


もう、この世ものとは思えないほど白い!

あり得ない白さだ。

白く発光しているようだ。

女優ライトをしたから当てているみたいだ。

シミ1つない。


一人一人と目を合わせてくれている。


男が来たからビックリしているみたいだけど。


何人かの人が話かけている。


俺はなんて言おう。


とうとう俺の番が来た。




輝く笑顔

さすが、完璧な究極なアイドル様




こっちを見てくれている


カッコよすぎる





やっぱり



無理



死にそう



俺は



思わず踵を返してしまった




「わぁ~。」



係の人が追いかけて来る。


「助けて、シウォナ~。」




「おい、キュヒョナ。どうした?」



「シウォナ、ごめん。せっかくシウォナがハイタッチ会当ててくれたのに。俺、途中で帰って来てしまった。」


「ハイタッチ会?なんのことだよ。」

「えっ、シウォナが、俺のためにキュヒョニオッパのハイタッチ会に応募してくれて。」

「俺が、なんであいつの所にキュヒョナを送り込むんだよ。悪い夢見たんじゃないか。」


「えっ、夢なの?」

「そうだよ。見てご覧。ここは俺達の部屋でキュヒョナはパジャマ着てるだろ。」

そう言われて改めて自分の姿を見てみると、パジャマ姿でベッドの中だ。


日本で、キュヒョニオッパの対面サイン会の映像を見たりXを読んだりして寝たせいか、羨ましくて自分も参加した夢を見てしまったみたい。


それにしてもリアルな夢だったな。

同じ覚めるなら、逃げ出さずにハイタッチしたかったな。



「おい、キュヒョナ。俺で良ければハイタッチしてやってもいいぜ。」

「いい。すぐ寝る。おやすみ。今なら、夢の続き見れそう。今度こそ、ハイタッチしてもらう。」





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rie です。

2月24日にキュヒョンさんのオフラインイベントが開催されました。

対面サイン会、グループ写真撮影、ハイタッチ会。

私も、KYUPITER 枠でのハイタッチ会に参加することが出来ました。

本物のキュヒョンさんも、お話に出てくる以上にイケメンでした。

肌が博多人形の様に白くて、シミ一つなくて、本物発光しているようでした。

思わず「どこのファンデーション使っていますか。教えてください。」って聞きそうになりました(笑)

まあ、もともとのベースが違うので同じものを使っても同じようにはなりませんが。

笑顔でペンを一人一人迎えてくれて、目を見てハイタッチをしてくれました。

私は、なんとかハイタッチをしながら「大阪と横浜行きます。」って言うことが出来ました。

キュヒョンさんから「はい。」というお返事もいただけました。

時間にすれば、多分1秒2秒という時間でしたが本当に至福の時間でした。

SMTOWN Live で疲れていたと思いますが、そんなことは微塵も感じさせない《完璧な究極のアイドルキュヒョン様》でした。