《540話》

🏟️🎤🕶️🎫~☆~SUPER SHOW 9~☆~🎫🕶️🎤🏟️
🐥🐈🐢🐷 💙 :SHOW-アンコン② 💙 🐵🐯🐴🐇🐧


「ヒョク、ドンヘ。ママの所に来て。」
2人は、さっきからの青いバンダナとサングラス🕶️の事だと思って素直に俺の所にやって来る。
俺は、俺のトレーナーの裾を握りしめて立っているハルを「お兄ちゃん達が来るからね。」と言って抱き上げる。

「なあに、ママ。青いバンダナとサングラス🕶️お家にあるの?」とヒョクが
「バンダナあるけど、赤や黄色だけどいいかな?なんて絶対にダメだからね。」とドンヘが " 誤魔化されないぞ。"と先に釘を刺して来る。

「ちょっと座ってくれる。」
「うん、いいけど…」
俺のいつもと違う雰囲気に2人が顔を見合わせながら椅子に座る。

「あのね、スーパージュニアの皆さんのコンサートの事なんだけど…」
「アンコン絶対にカッコいいよ。」
「ドンヘお兄ちゃんが一番カッコいいんだから☝️」
「何言ってるんだよ。ヒョクお兄ちゃんのダンスが一番☝️」
俺の言葉から楽しみにしているアンコンの事についてのお喋りが止まらない。



「アンコンには行かない。」



" えっ!"という2人の心の声が聞こえて来る。
それまで楽しそうにアンコンでのお互いの推しの話をしていたのに…
ひきつった顔で俺を見ている。

「ママ、ウソでしょ?」
「僕達が、青いバンダナ、サングラス🕶️とワガママ言ったから?」
「だったら、そんなの無くてもいいから。」
「ごめんなさい。もう、青いバンダナとサングラス🕶️の事は言わないから。行かないって言わないで😢」
「せっかくドンヘお兄ちゃんが "おいで"って言ってくれたんだよ。」
「そうだよ、ヒョクお兄ちゃんも言ってくれたのに。」
「ママだって、キュヒョンおじちゃんに会えるって喜んでいたのに…」
「どうして、行かないって言うの😭😭😭💦」
2人が泣きながら自分達の思いを俺に訴えてくる。
俺も2人に申し訳ないと思いながら


「パパと決めたんだ。」


その俺の言葉を聞いたドンヘが「じゃあ、パパの所に行って来る。」と言って座っていた椅子から飛び降りようとする。
「そうだ、パパにお願いしてみよう。」とヒョクもドンヘに遅れをとるものかと慌てて椅子から降りようとする。
「パパならきっとわかってくれる。」と2人が声を合わせて同じ事を言って走り出そうとする。


「2人とも、待ちなさい。」

" 何で、ママは僕達の邪魔をするの?"っていう目で俺の顔を2人が見る。


「これを、見なさい。」


俺が机の上のパソコンを指さす。

2人は自分達の行動を俺に邪魔されて、尚且つ"パソコンを見ろ" と言われて納得出来ないけれど、もしかしたら素直に俺の言うことを聞いたらさっきの言葉を取り消してくれるかもという淡い期待でパソコンの傍にやって来る。

俺が再生している動画を見る。

「トゥギおじちゃん。」

俺が再生しているのはトゥギヒョンのYouTubeだ。

「2人が大好きなスーパージュニアのリーダートゥギヒョンだよね。」
俺の言葉に2人がコックリと頷く。

それでも、なぜトゥギヒョンのYouTubeを俺が流しているのか2人にはわからない。

俺が2人に見せたかった画面がもうすぐ流れる。
スーパージュニアという個性の塊を束ねているリーダー。
ELF の事を思っていてくれる天使リーダー。
その言葉はペンを思う言葉で溢れている。

『アンコンのチケットがダフ屋に買い占められている。自分達の事を本当に観たいペンにチケットが届いていない。だから、どうしてもアンコンで観たいペン達が法外な金額になったチケットを買ってしまう。だったら、そんなチケットは買わないで。高額なチケットの売買で味をしめたダフ屋が、また僕らのコンサートチケットを転売をする。そんなダフ屋を儲けさせたくない。だから、無理してコンサートに来ないで。そんな高いチケットを買うぐらいなら、美味しい物を食べて、可愛い洋服を買って、好きな所に遊びに行けばいい。知らない人だったら僕は知らないふりをします。でも、皆さんはELF です。僕達の大切なELF なんです。そんな大切なELF が一生懸命に働いて得たお金をそんな事に使って欲しくないです。』
自分達の大事なELF を思う気持ちが時に語気が強くなっている場面もあったりする。

まだ幼い2人には難しい事は百も承知している。

「わかんない。どうして、僕達が行けないの😭😭😭💦」ドンヘが泣きながら俺に言ってくる。
「悪いおじちゃんにELF のお姉ちゃん達が意地悪されるの?」とヒョクが言っている。
「そうだね。」

「そんなの、難しくてわかんないよぉ~。パパもママも大嫌い❗僕はドンヘお兄ちゃんに会いたいだけなのにぃ~。スジュのおじちゃん達に会いたいだけなのにぃ~。」そう言ってドンヘが泣きながら部屋を出て行ってしまった。

 

 

「ドンヘ~、ちょっと待って~」

泣きながら走って行ったドンヘの後をヒョクが慌てて追いかけて行く。

 

俺は、そんな2人の様子を目で追いかけている。

 

今回のアンコン、俺達家族だけでなく俺達の両親・バアヤ達・首脳陣・ヒチョル副首相の甥っ子達・ミーミ警備部長等総勢20人近くになる。

トゥギさんのYouTubeを見た後シウォナと決めた。

俺達のチケット20枚、もしかしたら焼け石に水かもしれないけど、俺達より全世界のスーパージュニアを心から愛しているELF の方がふさわしい気がして、チケットはお返しした。

トゥギさんをはじめメンバーの皆さんは「お気になさらずに来て下さい。」とおっしゃってくれたけど、俺達の気持ちを話したらわかってくれた。

アンコンを楽しみにしているヒョクとドンヘには、本当に申し訳ないけどね。

 

「ママ、ママ。」ハルの声で我に帰る。

ハルが俺を顔を覗き込んでいる。

「アッ、ごめんね。ビックリしたね。」

「ママ、ポンポン?」

「ママ、ポンポン痛くないよ。」

ハルがその小さな指で俺の涙を拭ってくれる。

俺はいつの間にか泣いていた。

「ありがとう、ハル。ママと一緒にソファーに座ろうか?」

「うん。」

 

 

 

 

「パパもママも大嫌い😡⚡」

「どうして、ヒョクも怒んないんだよ👎」

「アンコンに行けないんだぞ❗」

自分の部屋に戻って来て部屋に鍵をかけて、念のためドアが開かないようにスティック掃除でドアにつっかい棒をする。

 

キュヒョにゃんとシウォにゃんが廊下を歩いている。

この2匹は王子達の友達ということで、警備の者もよくわかっていて王宮の中をいつでもどこでもフリーパスで歩いている。

ほとんどの場合、王子達に直ぐに見つかって抱っこされてリビングへというパターンだ。

だから、今日も " にゃ~ん、キュヒョにゃんだよ。"" にゃ~ん、シウォにゃんだよ。と言ってみた。

いつもなら、「キュヒョにゃ~ん💕」「シウォにゃ~ん💕」と言って王子達がやって来てくれるのに、今日は自分達には目もくれず走って行く。

特にドンヘ王子は泣きながら走って行った。

そのすぐ後をヒョク王子が追いかけて行った。

" ケンカでもしたにょかにゃ?"

" イタズラをして王妃様に怒られたにょかにゃ?"

 

 

一旦2匹の前を通り過ぎたヒョク王子が戻って来て

「キュヒョにゃん、シウォにゃん。ドンヘを元気にしたいの。僕を助けて。」

 

" どうしたんの?ドンヘ王子様にゃいて😿いましたよ。"

"  ケンカしたのかにゃ?"

" イタズラをして王妃様に怒られたにょかにゃ?"

「違うよ。」そう言ってヒョク王子がドンヘ王子の泣いている原因を2匹に説明する。

 

2匹もドンヘ王子がスーパージュニアの事が大好きで、いつも「ドンヘお兄ちゃん」と言っていたのを知っていて、今回のアンコンも「今度、スパショのアンコンに行くんだよ。」と嬉しそうに何度も2匹に話してくれたのを思い出した。

"それは、にゃいちゃいますにゃ😿"

「だから、お願い🙏」

 

「ドンヘ、キュヒョにゃんとシウォにゃんが来てくれたよ。」

 

猫が通れる小さなドアを2匹のために開けている。

そこからヒョク王子がドンヘ王子に話しかけている。

 

「来ないで。ヒョクも大嫌い😡⚡」

 

" にゃ~ん。ドンヘ王子様。"

キュヒョにゃんとシウォにゃんがそのドアから入って来て、ドンヘ王子の所にやって来てちょこんと横に座る。

 

「来ないでって言ったのに~」

2人の姿を見つけると、直ぐに抱き寄せて大きな声を出して泣いている。

 

ドアの外のヒョク王子も同じように泣いている。