汚職を疑われた父直言の無実を信じる寅子。
予審での厳しい取り調べにやってもいない罪を自白した直言の心は折れていた。
布団を被り逃避する。
怖い。いやだ。もういい。
しかしはるが毎日つけていた日記には、直言の証言との齟齬がはっきりと書かれていた。
直言はやっていない。
証拠と熱意に直言も無罪を勝ち取るために戦うことを決意する。
朝雨は女の腕まくり
女が腕まくりしていくら力んで見せてもすぐにへたばってしまうように、朝の雨はすぐに上がるので怖くない。
心で思ったならそれはすでに実行されている……
「次は殴るッ」と言った轟くんがすでに殴っている姿にジョジョ5部のプロシュート兄貴を思い出した方も多いのではないかと思う。
額を赤く腫らしたまま静かに本を読む轟。
いちいち自分の手柄(?)をアピールなぞしない。
実際にあった『帝人事件』をモデルにした『共亜事件』
強要で得られた自白を唯一の証拠として押し通そうとした疑獄事件は弁護側の証拠の積み上げによって全員無罪の判決となった。
この事件は自白が覆されたけれども、日本の司法の自白偏重主義はこの後も長らく多くの問題を生み出している。
取り調べや裁判の可視化が進んでいないという問題も未だ解消されているとは言い難いらしい。
堀部圭亮の悪人役がハマりすぎ。
圧力には屈しない甘味好き。
ありもしない事実を捏造するなど
「あたかも水中に月影をすくい上げようとするがごとし」
寅子の飲みっぷりが素晴らしい。
まさに勝利の美酒。
ドタキャンした映画鑑賞デートの約束を履行しようとする直言。
直道も直言も普段はのほほんとしているけれども、こういうポイントは外さないいい男なんだよね。乙女心をわかってる。
気丈にしているはるの「うわーん」泣き。
戻ってきてよかった。
犯罪も浮気もしていなくてよかった。
法とはなんなのか?
盾でありあたたかい毛布であり、武器にもなる……
だけではなく
事件を通じて、寅子は新たな思いを抱く。
「きれいなお水が湧きでている場所」
そのきれいな水によけいな色を混ぜてはならない。
泉の湧き出る水源のように、清らかなまま守らなければならない。
私利私欲のために土足で踏み荒らしれはいけない。
その潔癖ともいえる感覚は、検察官のものでも弁護士のものでもなく、中立公平を旨とする裁判官の資質かもしれない……寅子にその片鱗を見た桂場(松山ケンイチ)が、これからも美味しいお団子が食べられますように!