第4週は「屈み女に反り男」
屈み女に反り男
女は少しうつむき加減にしている姿が良く、男は少し胸を張った反り加減の姿が良いということ
屈み女を強いられる女も、反り男を強いられる男も、それぞれシンドいよね……と思った第4週。
俯いてばかりでも、反り返ってばかりでも、どちらも腰椎に負担がかかるから腰痛になってしまいます。
背筋を伸ばしてまっすぐに立ちましょう。
絵に描いたようなバンカラ学生登場!轟太一くん!
バンカラ学生の学帽の先が割れているのはなぜなんでしょう?
履き物はお約束の下駄です。くぅーっ!!わかってるー!!!
そして対抗するように
出ました!
絵に描いたような色男。白馬の王子様。花岡悟くん!
甘いマスクに慇懃なジェントルマン仕草。
女性陣の目はハート❤️
お手本のような学園の王子様です。
(岩田剛典くん、アンチヒーローでもイケメン無罪な役でしたが本当に無実なのか気になりますね〜)
しかしてその実態は……
紳士ぶったエセ王子様だった?
カフェーの女給にモテつつ勉学に勤しむ同窓の魔女っ子ウィッチーズはテキトーにおだてあげ、男だけの会話では「女なんて」と話します。
キラキラ王子様にポーっなっていただけに幻滅する法学女子〜ず。
ジェントルマンだと思ってたのにー!
理解ある弁護士の旦那さんとご子息をもつ主婦学生…かと思われた梅子さんの背景が明かされます。
エリート弁護士夫、エリート長男は、エセ紳士ではなく当時のスタンダード紳士…つまりガチガチの男尊女卑男でした。
穏やかで男子学生たちには気さく、女子学生にもそれなりに(?)挨拶する大庭徹男(梅子の夫)。
寅子たちは妻を下げる発言に憤慨していましたが、昭和初期なら…あれでも大庭徹男はじゅうぶん以上に礼儀正しい対応をしていたと思います。
わたしの記憶が確かなら、昭和後期平成初期あたりまでは身内を下げる謙遜の仕方は普通でした。
愚妻、愚息。
「うちのがいつもご迷惑をおかけししております」なんて言い方はみんなしていました。
贈り物を「つまらないものですが」って言うのと同じです。
今ではそういう表現ではなく、謙遜するにしても「いつもお世話になっております」「気に入っていただけたら良いのですが」くらいが望ましいとされていますけれどもね……
父親のコピーのようないけすかないエリート帝大生長男くん。
選民意識バリバリの傲慢さを放っております。
梅子さんは次男や三男まで夫コピーにしなくないと、離婚して親権ゲットするために法学を志したのでした。(当時の現行法:明治民法では親権は父親確定だけど諦めたくないという執念)
しかし、女性の内心はともかく、英雄色を好む…のような、社会的地位のある有能な男は女遊びもできてナンボ、妾の1人やふたり囲ってこそ甲斐性がある……というような価値観は残っていたと思われます。
梅子さんの三男くんに「お父さんはモテてすごい!」と言った男子学生は本心からだったでしょうし、怒る寅子との間に入った花岡くんがおかしいわけでもないのだと思います。
怪我人を引っ叩く轟くんのフラットさがむしろ異常かもしれません。
男とは強く優しくあるもの。
轟くんの理想、轟くんのバンカラの根底にあったのは男尊女卑というよりは男女差による役割分担の意識だったようです。
強い男が弱い女を守ってやる。
けれども、山に登って気持ち良い空気で深呼吸し、梅子さんのおにぎりに舌鼓をうつ轟くんは、男より劣っているはずの庇護対象のはずの法学女子〜ずと付き合いが深まるにつれ、彼女たちが弱くも劣ってもいないことに気づいていきます。
花岡をよく知っているらしい轟くん。
(佐賀の実家に連絡を入れたり、花岡悟くんの母がずいぶん前に亡くなっていることを知っていたり上京してからこっち男っぷりが下がっていることに気づいたり)
見栄っ張りに虚勢をはるハリボテの男らしさは、轟くんの希求する男らしさとは似て非なるもの。
彼女らこそ男だ。
というのは、彼なりの最大の賛辞でしょう。
法学女子〜ずは前例のない道なき荒野を開拓しております。
弱者のため、後進のため、苦難の道を進むのは、強く優しいからです。
男の…というより、轟くんは‘人間としてかくあるべし’という像をそこに見出したのではないでしょうか。
轟くんに叱咤され、すぐに梅子に謝罪する花岡くん。
これまたなかなか出来ることではありません。
自分の非を認めること、自分を見つめること、それを他者(しかも一般的に地位が低いとされている女性)に伝えること。
出来る人はどれくらいいるでしょうか。
しまった、申し訳なかった━━そう思っても、気づいても、なあなあにするのがせいいっぱい。
逆ギレしたり、笑って誤魔化したり、別の話にすり替えたり……自分の意地を守るため、目を逸らす人は多いでしょう。
花岡くんもずっと目を逸らしていました。
エリート帝大生になって親孝行したかった。
先進的に振る舞うことで女性の前でええカッコしたかった。
女を粗末に扱う男っぽさを見せて仲間の前でええカッコしたかった。
弁護士の少ない席を取られそうで不安だった。
カッコつけてばかりの自分が嫌いだった。
そういう自分は本当の自分ではないと思いたかった━━のに、梅子さんは演じてようがなんだろうがそれらすべてがあなたなのだと言います。
人間にはいろんな顔があるけれども、それもこれもすべてその人なのだと。
その上で、なりたい自分、ほんとうの自分があるなら、そうなれるように、ほんとうの自分を忘れないように、と(母のように)語りかけるのでした。
ほんとうの自分…
寅子の父は‘悪いことをするような人’には見えません。
個人でならけして悪いことはしない人だとしても、会社ぐるみ、上司の命令ならどうなのでしょう?
まじめだからこそ、恩義や情を大切にするからこそ、反駁できないっていうこともあるのかも…?
猪爪家のためにも、お父さんは無実であって欲しいですけれども。
贈賄の容疑で家宅捜査されたとき、ゆうぞうさんが頼れる姿を見せてくれてグッときましたね。
緊張するとお腹が緩くなる欠点で司法試験に落ち続けてしまったのでしょうか…?
怪我が治ったばかり(?)なのに塀を乗り越えて転げ落ちた花岡くん。
猪爪家の危機に、片時も忘れられない寅子のもとへ…!
(恋の予感? それとも 義を見てせざるは勇なき也?)
その後に続いてまた落下音!
お?轟くんか?!
と思ったら
まさかの
穂高教授…!!
腰は…
腰はご無事でしょうか……?