発達障害と一緒に大人になった私たち モンズースー著 薄いグレーから濃いめのグレー | [ridiaの書評]こんな本を読んだ。[読書感想文]

[ridiaの書評]こんな本を読んだ。[読書感想文]

小説や漫画のあらすじとネタバレ感想が中心。恋愛(純愛・ラブコメ・学園モノ・セックス)、SF、コメディー、ファンタジー、冒険、裏社会、芸能、政治、スポーツ、料理、ホラー、格闘技、歴史、ファッション・・・名作・傑作・話題作満載!人気ブログを目指します。

コミックエッセイ本。

著者とさまざまな発達障害をもつ当事者たちのケーススタディ。



 

発達障害だけど天才的な才能がある!というわけでもなく、誰がどう見ても重度の障害を抱えている…というわけでもない、普通の範囲におさまるような、でもやっぱりハミダシているような、ギリギリ無理すれば生活できるけど、無理してるからしんどい……そういう人たちのお話。

 



発達障害と言ってもいろんなタイプがあって、その種類も濃度もさまざま。

複合化している場合もあるから、この場合はこう!という正解はない。

 

診断されることで気が休まることもあれば、投薬で落ち着くこともあるし、アレルギーや副作用の関係で服薬できない人もいる。薬を変えてよくなることもある。ケースバイケース。

 

 

印象的だったのは

 

困った子は困っている子

 

という言葉。

 

 



 

発達障害を持っていると集中力がなかったり疲れやすかったりボーっとしていたりで、忘れ物が多い、整理整頓ができない、掃除ができない、食べ物の好き嫌いが多い、いきなり怒りだしたり号泣したり感情の起伏が激しい、無感情無関心、人の話しを聞けない、無視する、ひとつのものや特定の個人に異常に執着する、何度も同じ失敗をする、約束を守れない、過眠や不眠がある……などなど、周囲に迷惑をかけがち。

 

そういうとき、まわりは困る。

困ったちゃんだなっていう目でその人を見る。

 

けれども、当事者である発達障害者は、もっと困っている。

 

本人にもなぜできないのかわからない。

 

やろうと思ってもできない。

やっているつもりなのにできない。

 

なまけている、サボっている、ふざけている…

 

そんなつもりはないのに。

やれるならやりたいのに。

 

なんで普通にできないのか、本人にもわからない。

 

わからないまま大人になって、病院に行って、発達障害だと診断されて、やっと、そうだったのか、それで生きづらかったのか、とわかった人もいる。

 

けれども。

グレーのどこかを彷徨いながら、困ったまま、生活している人もいると思う。

 

グレーの中でもほとんど白の薄いグレーから黒に近い濃いグレーまで、色々いる。

 

同じ人であっても、体調や環境や人生のイベントなどでそのグレーの濃さは変化すると思う。

 

 

 

こういうタイプにはこういう行動療法が合うだとか、この薬が効くだとか、研究が進むにつれて、対応、対処法も進化している。

 

けれども、病識や自覚がなければその情報にも出会えない。

 

 

きっと、わからないまま、なんだかよくわからないけれども生きづらい、って思っている人は多いと思う。

 

診断がつかないレベルの薄いグレーかもしれない。

調子が悪いときは濃いめのグレーになるかもしれない。

 

普通の範囲の中にいられるときもあれば、たまにハミダシてしまうときもある。

そんな人もいると思う。

 

 

ところどころ、わたしも心当たりがあるな、って思った。

知り合いの顔が浮かぶこともあった。

 

 

 

けっこうみんな、グレーのグラデーションの中にいるんじゃないかと思う。

 

 













 


人気ブログランキング    










にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村      







こんな本を読んだ - にほんブログ村