言われたこと。
「どっちが男?」
どちらがタチか、という意味でならそれはケンジだし、どちらがより男性的かという意味でならシロさんだけれども、わたしは
「どっちも男だよ」
と答えた。
わたしが観ている「きのう何食べた?」を通りすがりにチラ見するだけの家人は「いや……」と言いかけ、まあどうでもいいか、という風にそれ以上は何も言わなかった。
わたしもそれ以上、何も言わなかった。
男性同士のカップルがいたとして。
そのゲイがみな「男役」「女役」に分かれているわけではない。
オネェ言葉を使う人もいれば使わない人もいる。
女装する人もいればしない人もいる。
性愛の対象が男性でも。
自覚する性が男の人もいれば、自覚する性は男だけど女っぽくしたい人も、自分は女性だという自覚で(異性愛の感覚で)いる人もいる。
同性愛者かどうかに限らずキャピキャピした乙女っぽい個性の男性もいるし、雄々しいタイプもいる。
どんな男性にも女性にもアニマ(男性のなかの女性的な性質)、アニムス(女性のなかの男性的な性質)があるものだし、男性っぽさや女性っぽさがイコールで性愛に結びつくわけではない。
そういうことを、わたしは本や漫画で学んだ。
もちろん「きのう何食べた?」からも。
でも、こういうことは興味がなければ入ってこないことだと思う。
わたしはLGBTの当事者ではない。
だからこういうズレをどう表現したらいいのかわからない。
もどかしいけれど、そういう感覚がわたしのなかにも存在しているという自覚もある。
本当のところは理解できないんだと思う。
シロさんの両親が理解できないまま、それでもシロさんの幸福を願い、ケンジを受け入れようとして、それでもヘンテコな勘違いしてしまうように。
わたしもわかっているつもりで、わかっていないんだと思う。
ズレは、わたしにだってある。
きっと、すごくたくさんある。
そうして気づかないうちに、シロさんやケンジを傷つけている。
それは同性愛だとかLGBTだとかだけではなく、マイノリティーかどうかだけどはなく、どんな人に対してもそうなんだと思う。
悪意がなくても、無関心なだけでも、好奇心でも。
そんなことを思った。
虎屋の羊羹美味しいよね。
黒糖味の水羊羹すき!


