未完のままずーっと新刊が発売されないので諦めて処分したけど大好き!だった漫画。
著者名も題名も忘れてたけど、このたびやっと思い出したので覚えているうちに記事にします。
ファンタジーの隠れた名作、ringシリーズ!!
わたしはアルカナシリーズと(脳内で)呼んでました。
なんで脳内かというと、わたしが集めて読んでいた中高生のリアルタイムですら同好の士がいなかったから……話す相手がいなかった……
読む人を選ぶ絵柄。黒い紙面。
描かれるのはタロットカードモチーフのガチなファンタジー世界。
漫画好きな友だちはたくさんいたけど、彼女たちが読むのは花より男子 や幽遊白書 。
アレな方向に進化した一群はタクミくんシリーズ(ルビー文庫) やKIZUNA こだか和麻 などにハマっていた。ちなみにわたしはアレな方面では同時期West end (スーパービーボーイコミックス) っていうSF風味の漫画にハマっていた。
なので、ひっそりと夢中になっていました。(サブカル好きを気取ってるわけじゃなく、わたしは雑食大食いなので幽遊白書 もBLもなんでも読んでたってだけ。漫画はメジャーもマイナーも読むし、当時はわからないなりに詩集や哲学書や図鑑など手当たり次第だったのです)
このringシリーズは大きく3つの柱があります。
ひとつは環の王女の物語。これがシリーズタイトルであるring(環)の由来となっています。これが本編。
ふたつめはextraring、明聖側の物語。
みっつめはnightlegend、暗魔側の物語。
明聖はローフル、暗魔はカオティックと読みます。
善なる光の勢力ー明聖ローフルと、悪の闇の勢力ー暗魔カオティックが世界の覇権を巡って戦っているのです。
が。
明聖の王国シグルーンが消え、世界はカオティックに染まりつつあります。どんどん闇の勢力が力を強めているんです。
ローフルのひとたち(精霊や騎士や良い魔法使い)は住む場所を奪われたり襲われたりして、もう風前の灯火。
そこで鍵になるのが宇宙竜ウロボロスの力を持つとされる環の王女。
ringの主人公のセナちゃんは田舎の村娘なのですが、それは仮の姿で実は環の王女です。
(世をしのぶ仮の姿のセナ)
そもそも世界が闇に染まりつつあるのは、ローフルの頂点とされるシグルーン王国が消えちゃったから。
シグルーン王国っていうのは、イメージとしてはロード・オブ・ザ・リング の「裂け谷」みたいなものかな。光に満ちた秩序ある善なる王国。ロードオブザリングと世界観は似ているところがあります。
セナちゃんはその失われたシグルーンの王女で、本名はシグルーナといいます。光の魔法で田舎くさい娘になってますが、本来は絶世の美女なんです。フィーメンニンは謳う のミルッヒみたいなものですね。ミルッヒの仮の姿の幼女バージョンも可愛かったように、田舎娘セナちゃんも愛らしいです。
(3巻表紙絵が成長前幼女ミルッヒ、5巻表紙絵が成長後女王ミルッヒ)
セナちゃんが成長して、真の環の王女となって消えた王国を取り戻し世界を明聖ローフルにしよう!というのが本編の一番大きなテーマになります。
そのために15色の騎士を集めなければいけません。
仲間を集めながら旅をしていくのですが、その途中で仲良くなったひとやお世話になった人が実は暗魔カオティックの勢力だったり、古い時代の因縁があったりで、物語は複雑に絡み合って進んでいきます。
そのサイドストーリーとしてextraring、nightlegendのシリーズがあるのですが、お約束通り、カオティックの勢力のひとたちにも悲しい過去や人生があるんですね。堕ちてしまうには堕ちるだけの理由があるわけです。暗魔の側の立場にいるからって悪の権化ってわけじゃない。優しすぎるほど優しい人も、善悪に悩む人もいるのです。逆にいえばローフルだからってみんながみんな清らかで慈愛に満ちているわけでもない。陣営が違うだけで、それぞれに悩み苦しみ喜び笑っているのです。
そこでまた萌えポイントがあるのですが、カオティックの勢力はそれぞれ通名がタロットカードになってるんですよ!
偉いひとは大アルカナ、下っ端は小アルカナ。
愚者、魔術師、女教皇、女帝……っていう例のアレです。ジョジョの奇妙な冒険(第3部) スターダストクルセイダーズ でもタロットカードの暗示ってあったでしょう。
もうね、タロットカードの暗示っていうのが大好物なので!それだけで興奮しちゃいます。
そんな壮大な物語ですが、一番最初に書いた通り未完です。
アルカナは大アルカナだけで 22人存在するはずですが登場してないし、15色の騎士もぜんぜん揃ってません。
色々ネタバレ的にあらすじを書いたのも、今後再開する目処もなければ完結する可能性も限りなくゼロに近いから……
ファンタジーは雰囲気や設定を愉しむもの、と割り切ってしまえば素晴らしい漫画です。
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