悪の華 全11巻 押見修造 | [ridiaの書評]こんな本を読んだ。[読書感想文]

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惡の華(11)<完> (講談社コミックス)

惡の華(11)<完> (講談社コミックス) [コミック]

押見 修造

講談社

2014-06-09




マンガボックスで連載中の惡の華 (ボードレールの悪の華  とはほとんど何も関係ない。中二病マンガ)が終盤に差し掛かっている。今日、とうとう仲村さんと再会。

思い出した。アジフライ定食。

食べないのか?
せっかくのアジフライ定食。
おいしそうなのに。
食べる気ないなら注文するなよ。

以前読んだときも思ったことを今回も思った。

惡の華  といえばアジフライ定食、というくらいわたしの中で印象的な場面だ。

本編の本筋にはまったく関係ないどうでもいいエピソードなんだけどね、なんか如実にあらわしてる気がするんだよね。食べもしないアジフライ定食を注文して放置する精神性っていうのが。

ジコチューで幼稚、自分の気持ちばっかり、ジブンばっかり。

そういう奴なんだよね。

ほかほかの出来立てアジフライ定食を放置して、平気な奴なんだよ。


仲村さんは変わったのかな?
どうなんだろう。

手垢にまみれた言葉を使えば、これは少年少女の思春期における成長の物語なんだろうし、大人って汚い、こんな世界めちゃくちゃになっちまえ、反抗期…まあ、そういうの。

歌でいうなら尾崎豊 卒業  だよね。
このマンガはイマドキの若者が主人公なので校舎の窓ガラス割って教師を殴ったりしないけど。校庭を改造スクーターで走り回ったりもしないけど。

狭苦しい生まれ故郷という箱に閉じ込められてしまっている、与えられた世界に閉じ込められてしまっていることへの不満。
その誰にでもある成長痛を大声で叫んでいる。

痛いよー
痛いよー

って。


声、デカイんですけど。
うるさいんですけど。

っていう周囲の迷惑顔もどこ吹く風。

いいからアジフライ定食を食べなさい、とおばちゃんは思うのだよ。