PCやスマートフォンのリコメンド機能は恐ろしい。
先週仕事帰りに立ち寄った母の家でついこのような番組に見入ってしまった翌日、
『ライ麦畑でつかまえて』は善か悪か?完全なる問題作「キャッチャー・イン・ザ・ライ」
Amazonプライムに、サリンジャーの登場する映画をすかさずお勧めされたのです。
恥を承知で申し上げると私はサリンジャーの小説に興味を持ったことがなかったばかりか、邦題のフェミニンな印象から、ラブコメチックな甘い小説かと思っていた。
何ならサリンジャーが女性だと思い込んでいた。
世界中のサリンジャー信奉者の皆さまに、心から謝りたいです。
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映画を見終わると、また関連のインタビューとかコラムとかがお勧めされたりする。
まだ本も読んでいないというのに、サリンジャーの生い立ちや題名の由来などをひととおり学ぶはめになった。
この本を読んだ人は主人公のホールデンのどこかしらに自分を投影する、と言っている人もいた。
多感な高校生のころ、母の書棚にあった『人間失格』を読んで、不遜にも、「これは私だ」って思った。
もしかしたらあんな感じなのかな。
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主人公のホールデンは17歳。
森高千里によれば誰もいない海で二人の愛を確かめたくなるような年ごろだ。
かたや私は50代。
夜明けのベッドでふくらはぎがこむらがえりしがちな年ごろだ。
太宰に震えたピュアな気持ちが、そんな私にもまだ残っているのでしょうか。
確かめてみたくなった。
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この本の日本語版は、1964年に出版された(1984年に一部改訂)野崎孝訳のものと、2003年に出版された村上春樹訳のものがあるそうです。
いろいろな人の意見を読んで考えた結果、私は野崎さんの方を読んでみようかな、と思います。
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ところで何年か前、男性上司サタケさんに、業務で使用するトレンドワードを検索するよう指示を受けた。
サタケさんが見守る中、Google検索のボタンをポチっと押す。
げ。
検索結果の画面を縁取っていたのは、カラフルな下着の画像の数々だった。
昨日昼休みにこっそり下着の購入サイトを閲覧したことを思い出した。
平静を装う私。
無反応を装う上司。
地獄のような時間が流れた。
GoogleAIは無神経にずけずけリコメンドすることを厭わない。
さすがアメリカ生まれだな、と、思った。
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皆さんもどうかお気をつけください。
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