「理由は、2つある」
「ひとつは、今はまだ臨採で、本当にやることが多くて忙しいから……」
「もうひとつは――」
それが、彼女に振られた理由。
7年越しの片想いは実に呆気なく幕を閉じた。
しかしその2ヶ月後、彼女の方から「採用試験、受かったよ!」との連絡を受けて一緒にご飯を食べに行くも、何も出来なかった自分。
“理由の一つ目は消えたよ”
という彼女のアピールだったのだろうか。
“理由の二つ目は叶わぬものだと再度痛感して無くなったよ”
という意思表示だったのだろうか。
すべては、後の祭り。
今更、という話で。
……いつも、おわった後に悔いてばかり。
奥手。鈍感。臆病。
――もし仮にそういった自己アピールだったとするのなら、その後彼女は僕に愛想尽かせて顔も合わせたくないのだろう。
……それでも。
僕はやっぱり、メル子が大好きなんだなー。(笑)
人としても大好きだし、異性としても、大好き。
未だに消えないその“幻想”は、神格化してしまった神仏のように、時を経るごとに美化されてゆく。
忘れられない想い出。
消せない記憶。
僕の中のメル子と、今のメル子はもう大分、違ってしまっているのかもしれない。
……それでも、ね。
広い広いこの世界に、他に魅力的な女性はいっぱいいる。
時折、心が揺れ動くのも事実。
だけど、いつも脳裏を掠めるのは、彼女の面影。
そんな中途半端な気持ちで誰かと付き合うだなんて、最低だもんな。
だから僕は、振り払おうともしたけれど、無理だった。
やっぱり、彼女が好きなんだ。
理屈じゃないんだ。
――でも、僕がこんなに想いを寄せたところで、彼女にとって、僕はただの「高校生時代のクラスメイト」でしかないのかもね。
…………。
「理由のもうひとつは……、今、好きな人がいるんだ」
「その人は仕事熱心で、仕事だけのことしか考えてないような人で振り向いてもらえるわけないんだけど……、あたしのこと怒るときはしっかり怒ってくれるし……」
そんな事言われても……、僕の良いところなんて、“優しい”くらいしかないんだけどなァ。(笑)
周りがどれだけ厳しければ厳しい程、僕だけは優しくいてあげなくちゃ、と思ってしまう。
時としてそれが、その人への悪影響だとしても。
……いやはやしかし、我ながら本当、恋愛に関しては純情過ぎるよ(笑)
“ただ隣にいて欲しい”
そう願うばかりです。
ブルーの森でフラペチーノを。~恋のあいまに見上げる空~【最終回ッ!】
もう、こうやってどこかへ自分の感情を書きなぐるのは止めにします。
卒業ッ!卒業ぉ~~
まぁ正直な話、ここへ想いをぶつけても、何も返ってこないしね!(笑)
言いたいことは、言いたい人に直接言います。
いつまでもピュア・ボーイでいたくはないので(笑)
……さぁ。
どうなるのでしょう?
メル子へ想いの丈を撃ち抜くのか。
はたまたその幻想を振り払い、新たに踏み出せるのか。
……そこはまぁ、当人らだけの秘密、ということで(笑)
“恋のあとには通り過ぎる 面影だけがいつまでも揺れ”
“振り返らずに生きては行けぬよう 誘い込む”
それでも、僕は―――
まだまだ恋のあいま。






