RICS代表の金石です。
今日は相続や資産継承の問題点についてお話しします。
お金や不動産などの資産は、代々相続されるものです。
相続(そうぞく)とは、自然人の財産などの様々な権利・義務を他の自然人が包括的に承継すること。一般的には、自然人の死亡を原因とするものを相続と称することが多いですが、死亡を原因としない生前相続や法人化による相続も存在します。
不動産業を通じて、多くの相続を見てきましたが、一般的に考えられる相続税納税の悩みはそれほど大きな問題にはなっていません。何故なら、相続税は相続税法で定める一定以上の財産を相続する事で課税されます。現行の相続税法で相続税を納めているのは全体の約4%です。
それよりも多くの問題は、引き継ぐ側と(被相続人)引き継がれる側(相続人)の意見の食い違いや、相続人同士でもめる争続です。
不動産業者として、家族の相続問題に関わり資産継承をコンサルティングしていく中で、どうしても世代間での意見の食い違いで衝突する事は多いです。
なぜ衝突が起こるのか?確かに被相続人からすると、自分が死んだ事を前提に話しをするので、気分が良いものではありません。
また、歴史を遡り育った環境に一部理由があると考えます。
明治時代、日本では家制度というものがありました。
家制度(いえせいど)とは、1898年(明治31年)に制定された民法において規定された日本の家族制度であり、親族関係を有する者のうち更に狭い範囲の者を、戸主(こしゅ)と家族として一つの家に属させ、戸主に家の統率権限を与えていた制度です。江戸時代に発達した、武士階級の家父長制的な家族制度が基になっています。
家制度は1947年12月22日改正民法の公布と共に廃止となりましたが、現代の被相続人が育った戦中、戦後しばらくは家督や家制度が生活に強く反映していたと聞きます。
また戦中戦後は食べ物も無く、生きる事に必死だった時代です。当時の生活が潜在的な意識の中で『贅沢は悪』と考えさすのではないでしょうか。
現在、国が定める後期高齢者世代の暮らを見てみると、質素な生活を送っています。多く土地を所有しいる資産家の方でも、納税の為に土地を最小限使用し生活に余裕はありません。
よく地主さんの家に訪問すると、土地は有るけどお金は無いという方は少なくないのです。
一方、今年で戦後69年。
相続人の世代は、高度成長期からバブルの経済に勢いのあった時代に生まれ育ちました。
贅沢とは言いませんが、戦後と比べると、物も食べるものも潤沢にありました。
ものに対しての思い方が根本的に違います。
現在の相続人の傾向は、継承や相続に真剣に向き合う人と、全く関心の無い人に分かれます。
また、向き合う人の中でも利益優先で、土地売買や活用を決める人が多いのです。
世代間の衝突は、後継者の時代に合わせて活用していきたいという考えが、引き継ぐ側からするとそれは贅沢と捉え、美徳に反する事になるからではないでしょうか。
資産は代々継承するもの。親から引き継がれて、子に引き継ぐ義務があります。
親子間での意見衝突を避けるには、直近の相続対策ではなく、孫やひ孫の事など、一家の将来を見据えて話し合う事が大切だと考えます。
その、意思を統一しておく事で、意見衝突も少なく世代間で腹を割って話し合う事が出来るのではないでしょうか。
RICS代表 金石 成俊