国家試験対策_ICD-11「国際疾病分類」改訂版公表③ | ペーパー社会福祉士のうたかた日記

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社会福祉士資格をとるまでと、とったあと+α。浮世のつれづれ、吹く風まかせの日々。

最終回。

依存症にはパターンがあり、
依存の対象と性質によって、
物質と行為(過程)に分類する。

俗説・通説も含めて分類すると、
おおよそこんな感じになるかと。


あ、

最近のサイトでは、3つめに、
「関係」への依存症っていう
(DVとかストーカーとか)
分類もあるみたいだったけど、

正式なのかどうか不明なので
ここは厚生労働省の言う通り、
2分割、2種類のみでいきます。

で、このうち、
ICD-10に記載があったのは、
ギャンブル、盗癖、放火、
性に関する行為、自傷で、
買い物や浪費癖は入ってない。

改訂されたICD-11では、
ギャンブルは盗癖・放火癖と
別のグループに切り分けられ、
あわせて、名称が、
「病的賭博」から、
「ギャンブル障害」になった。

ギャンブルも、ゲームも、
刺激に対する脳の画像では、
アルコールや薬物と同じ部位に
激しい変化がみられると判明。

新規参入のゲーム障害は、
ギャンブル障害と同じカテゴリ、
Disorders due to addictive behavioursに  
分類されている。

もちろん、世界のWHOが、
ICD-11に入れたからには、
異論をはさむ余地はないけど、

定義をもう一度見てみると、
どっちにも汎用性があって、
ゲームでもギャンブルでも、
どちらでも文意は通じる。


通じるけど、1つだけ、

「個人的、家族的、社会的、教育的、職業的または他の重要な機能領域において重大な障害をもたらす」

この、
重大な障害の中味って、
もちろん同じ点もあるけど、
違う点も多いって気がする。

ギャンブル障害についての資料、
手元にあるのは、

厚生労働科学研究費補助金
(障害者対策総合研究事業)、
平成27年度分担研究報告書、

「病的ギャンブリングの実態調査と回復支援のための研究」(研究代表者 宮岡 等 北里大学医学部精神科学主任教授)。

これは、

「ギャンブラーを持つ家族」を
対象にしたアンケートで、
依存症という精神疾患が、
本人、その家族や人生について、
何をどのようにもたらすものか、
つらい現実の一部を見てとれる。



依存症の家族は、生活もつらい、
世間の目もつらいけど、
最もつらいことは、関係の破壊、
つまり、嘘、否認、不和。

ギャンブラーにとって、
ギャンブルは生活のすべてで、
ほかにどんなことがあっても
やらないではいられない。

家族、親や子ども、妻には、
もう絶対やりませんと言って、
涙ながらに謝罪して家を出て、
急ぎ足でパチンコ店に向かう。

また、

会社には、家族が親が危篤で、
子どもが事故でと遅刻、早退、
急ぎ足で競馬、競輪に向かう。


ウソはいつかバレる。
家族にとっては日常が終わる。

日常生活に虚偽がまぎれこみ、
真実と思っていた生活が嘘で、
ギャンブルが真実だったと
わかったときの衝撃の大きさ。

たいせつな親や配偶者に、
こんな思いをさせているのが
わかっているのに止まらない、
止められないというのは、

これがクセとか我慢とかいう
根性、甘えなどの問題ではなく、
明らかに精神疾患であることの
何より明確な証左だと思われ。


一方、

ゲーム障害も、課金などで、
経済的困窮という面もあるけど、
報道などを見ていると、

お隣の国で2002年、
86時間にわたり、座りっきり、
タバコのみでゲームやりっ放し、
エコノミークラス症候群で
死亡した事例が出たとき以来、

ギャンブル障害とは若干異なり、
当事者の廃人化、孤立化、
社会的断絶などの問題の方が、
強く伝わってくる印象がある。

ゲーム業界からは、
エビデンスに乏しいといって
猛反発が出ているけど、

ギャンブル業界はイマイチつか、
あんまり反対はしていない感じ。

日本遊技関連事業協会が決めた、
標語やガイドラインがあるけど、
パンチ不足なことこの上なし。

これだもの。。

どうしてこんな大名みたいな、
危機感がない態度なのかって、
カジノ法案が可決したでそ?

可決しちゃったあとからで、
申し訳ないけど、ほんとこれ、
可決しちゃいかんかったの。

内容でいちばん恐ろしいのは、
まあ全部だけど、これかな。
----------------------
日本人等の入場回数を連続する7日間で3回、連続する28日間で10回に制限。
----------------------
7日に3回までって、、、
これのどこが制限なんだよ、
推奨じゃん。

1週間に、月・水・金と
ギャンブルやってる奴なんて、
依存症予備軍か依存症だよ。

つまりだ。

国は、
ギャンブル依存症なんてのは、
自制心、ホドホドを知らない、
バカな庶民がかかる病だから、
保護する必要なんかネーヨと、
そういうことなんですね。

そう、厚生労働省には、
「依存症は病気だから、
気持ちの問題じゃない」とか
形だけチョロッといわせときゃ
そんでもう免罪符になると、
こういう方針でございますね。

ICD-11に端を発して、
とっ散らかってる内容ですが、
最後に1つ。さっきの資料から、
どれだけ身近に陥穽があるか。

なんかもう言いたかないけど、
この国に生まれたことを、
どっかで後悔する日がきそう。


ではまた。



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社会福祉士、ICD-11。
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