国家試験対策_精神障害者の地域帰住支援 | ペーパー社会福祉士のうたかた日記

ペーパー社会福祉士のうたかた日記

社会福祉士資格をとるまでと、とったあと+α。浮世のつれづれ、吹く風まかせの日々。

わしが一般企業に勤務してるのと、
ダンナサンが完全に無縁派なので、
いってみれば、生活そのものが、
福祉とそれ以外のちょうど中間点。

自分が資格をとったときに思った、
「福祉と社会のつなぎ目にいて、
身近なところで相談援助する」は、
おかげさまで社歴6年目ともなり、
口コミでじわじわ浸透している。

>編集部のricoricoさんってさー
>ヘンなことに詳しいらしいよ?
>めったに人が知らないような…

>××さんが聞きに行ったとき、
>けっこう役に立ったんだって。
>今度ランチでもいってみれば?

わしは、
認知症、障害、うつ、薬物、DV、
一般社会では青天の霹靂であり、
わしらのエリアでは日常茶飯事の、
生活の困り事よろず相談員である。

そして、後述するけど、
当事者が相談に来ることは少ない。

出会う機会がないからというのも
理由のひとつではあると思うけど、
相談を持ち込んでくる人の属性で
最も多いのは「相談を受けた側」。

どういうことかというと、
‘’親しい人から内々で相談されたが
どう答えていいかわからないから、
回答するべき内容を教えてほしい‘’
というパターンが大多数を占める。

その中で、こないだの話は、
脚色したうえで端折っていうなら、
「精神障害者の帰住先」。

いわく、

相談者の知人の彼氏の親の友人に、
統合失調症で入院中の親戚がいて、
退院してきても実家に居場所なし。
本人も家族もひとり暮らしを希望。

が、

今のところは無職で無収入なので、
仕事が先か、住居が先か。
退院前までに目鼻をつけときたい。

と、

このあたりで聞いてくれていれば、
ひどい目に遭わずに済んだのに、
こともあろうにと言っていいのか、
回診の担当医師に聞いてしまった。

すると、この医者野郎の回答は、
※ここだけ実話でお送りします※

>えーっとぉ困っちゃったなあ~
>僕らそういう担当じゃないし~
>働きたいって頼まれてもねえ~

あ、頼んだわけじゃないんです、
わかることだけでもいいので、
何か知ってることありませんか?

>あ~(苦笑 ごめんなさい~
>ちょっとわかんないっすね~

>ってゆうかあ~僕の考えわ~
>たいてい家族や夫婦の単位で
>なんとかするんじゃないスか?

…あ、はあ…

>自分でやれないって場合わぁ~
>区役所っつうか、行政っつうか、
>お役所がやるもんじゃないの?

ハ、ハイ…すみませんでした…

この担当医のセリフを翻訳すると、
「俺様に病気以外のことを聞くとは
コイツいい度胸してやがるぜ」。
目つき顔つき口調に漂う権威思想。

だもんで、
相談者の知人の彼氏の親の友人、
道をふさがれたような気持ちで、
相談者に相談してきたとのこと。

さてと、

うずくじゃないか、
うずくじゃないか。
(↑食事中の孤独の五郎さん風)

その場に居合わせたかったよねー
廊下で騒ぐ自分が目に浮かんでw

>てめーコラこのボンクラ医者!
>MSWにつなぐぐらいしろや!

>つうか、施設内に貼ってないの?
>相談窓口の場所と時間帯とか、
>お知らせの掲示くらいあるよね?

↓こういうの。

今回のケースは、
事例問題で出たっておかしくない、
精神科医療と地域連携の定番ネタ。

精神科の退院支援の相談だったら、
病院にはMSWがいるし、
地域では精神保健福祉センターか、
保健所の保健師、精神保健福祉士。

これが高齢者の退院支援だったら、
病院にはMSWがいるし、
地域には地域包括支援センターと
こういうことになっているけんど、

相談者の知人の彼氏の親の友人は、
MSWの存在を知らなかったから
つい医者に聞いてしまったわけ。

なので、

病院には、そこらの医者より、
もっとずっと知識が広く深く、
見識も情熱も兼ね備えた人材、
「MSWという人がいる」ことを
教えてあげるといいんでは…と。

で、

退院後の身近な相談先として、
地域の保健所の保健師、
(↑都内の相談が多いので…)
または精神保健福祉士、と。

ただし保健師には要注意、
大半は立派な仕事人女史だけど、
たまにろくでもないのもいるから、
などと話しつつ、メモを渡すと、

>え? エムエス…何?
>医療ソーシャルワーカー??
>エムエスダブリューつうの?
>へっえ~~知っらなかった~

>んでその人は病院にいるの?
>大きなとこには必ずいるんだ?
>へっえ~~知っらなかった~

>なにこれ近所の保健所?
>保健所ってアレ?犬の注射の?
>へっえ~~知っらなかった~

イイコト聞いた、アンガトねー
ホッとした顔を見せてくれると、
こっちもひとまずよかった、と。

そして、

続きがあったらまた来てね。
これで解決しない場合もあるし、
後日談を必ず聞いてあげてねと。

生活密着の相談援助の場面で、
心しておかねばと思うのは、
わしらのエリアの常識的知識は、
一歩でもこの外に出たが最後、
知られていないことが大前提。

こっちのエリアにずっといて、
こっち側同士で会話していると、
相手の体感温度に鈍感になる。

相談者の身の周りで、
予想外の出来事が起きて、
今までの生活の一角が崩壊する。
それまでの生活は一変する。

驚き、悔しさ、落胆、絶望、
この体感温度を感じられるよう、
垢というのか慣れというのか、
‘’たくさんあるケースの1つ‘’とは
絶対にかんがえてはならないと。

福祉のエリアから見てみれば、
年をとったら誰でも認知症だし、
血を吐いた?よくあるよくある、
末期がん? 知ってる知ってる、
看取り? はいはいやりました、

みたいな、勝手知ったる、
何があろうがほぼ動じない。

これはわしらの強みではあるが、
同時に弱みにもなるってことを
肝に銘じておかねば、と思う。

それと、もうイッコ。

これは自戒をこめてのことだが、
「ひとりで抱え込まず相談して」
「恥ずかしがらずに言ってきて」

と、

受け手はいつも願っているけど、
同時に、当事者からしてみれば、
そんな簡単に口外できませんて。

わしは貧困と共依存の経験者で、
「世の中がほとんど持っている
普通の暮らしから乖離している」
ということが、どういうことで、
どういう気分だか知っている。

そんなとき、
福祉系が、こっち側から大声で、

〉恥ずかしがらなくていいのよ!
〉どんどん話して!解決しましょ!

などと叫んだところで、
そんなことできるわけないだろ!

困りごとを相談するというのは、
プライドとの戦いなわけなので、
福祉系の主張とは、ともすれば、

あんたプライド捨てなさいよ!
さっさと白旗あげちゃいなさい!
と強制しているのも同然なのね。

福祉の相談は秘密でできている。
公開できる範囲はできる限り、
最小限でどうにかしておさめたい。

わしに尋ねてくれる相談者でも、
近所の知り合いの同期の友人とか、
ダンナの同僚の奥さんの弟嫁とか、
やたら遠いところの設定なのに、

話を細かく聞いていくうちに、
会話や出来事がやたらリアルで、
やたら詳細ってことが多々ある。

引きこもり、発達障害、いじめ、
SNS詐欺、リストラ、婚外子…

途中から、ああ、本人のことか、
家族のことなんだな、とわかるが、
緊急で必要があるとき以外は、
(移送に同行した方がいいとか)
指摘しないで聞くことにしている。

そして、そういう人ほど、
後日談を報告しに来てくれる。

>こないだ話したアレだけどー
>なんか行ってみたみたいよ?
>ナントカカントカセンター?

>話もちゃんと聞いてもらえて、
>よかったーって言ってたよー
>ricoricoさんのこと話したら、
>よろしくねって伝えてねって。

相談援助って、
どこにいて、何をしていても、
誰かの役に立つことはできる。

年金制度も、医療も介護も、
障害者総合支援法も、
医療観察法も、介護保険法も
一通り全部やってる資格って、
わしら以外にはいないんだし、

名前が社会福祉士なんだから、
社会の福祉のために働こうと。


ではまた後日。

受験生は、精神保健福祉法の下記、
・措置入院
・応急入院
・医療保護入院
しっかり整理しておくようにー


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ricorico1214、相談援助業務。
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