国家試験対策_"DSM-5"の重要ポイント | ペーパー社会福祉士のうたかた日記

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社会福祉士資格をとるまでと、とったあと+α。浮世のつれづれ、吹く風まかせの日々。

次回第28回試験出題基準(範囲)で、
デカい変更といえば、掲題の件。
いや~悩まされ続けましたですよね。
DSM-5が出たのは2013年5月。

以来、試験に出るのか出ないのか、
翻訳日本版が出版される前なのに、
気が急く受験生から矢の質問。
翻訳出てなきゃ作問もできんだろー

そのたび、出題基準を見れやと答え、
なだめてきたが、ついに!やっと!
次回はしっかりDSM-5が範囲と!
明記されたわけです!

でね、

試験センターの言い分としては、
出題基準は単なる基準なんで、
基準にあるから絶対出ますとは、
必ずしも言い切れないとか言うの。

けどね。今までね。

ICD-10の方がいいと言われ続けて、
んでもかたくなに、DSMにこだわり、
例年、DSM-Ⅳばっかし出しといて、
準備しないわけにはいきませんよ。

つうわけで、本日のおまとめ企画。
DSM-5、試験に出そうなポイント。

DSMっつうのはそもそも何か?ってと、
アメリカ精神医学会が作成している、
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders
【精神障害の統計・診断マニュアル】。

精神障害の症状とか、特徴とかを
全部、ばーっと一覧表にまとめて、
「このうちx個○ならこの疾病!」と
診断できるようにした冊子のこと。

精神疾患の原因や内面ではなく、
表出される状態を俎上に乗っけて、
客観的診断ができるようにしたのは、
そうとう画期的なことでして、

しかも統計で裏付けられていくので、
データ数が増えれば増えるほど、
診断の信頼度の担保にもなっていく。

DSM-Ⅲ、DSM-Ⅳまでの最大のウリは、
"多軸診断(評定)"。

1カテゴリの特徴の○×じゃなくて、
第Ⅰ軸~第Ⅴ軸の5つの軸を用意し、
この項目での○×の数、
この項目での○×の数、…って、
多面的に見て診断していく方式。
-------------
第Ⅰ軸
治療が必要な状態である
(第Ⅱ軸以外の障害や疾患)

第Ⅱ軸
人格障害・精神遅滞

第Ⅲ軸
一般身体疾患

第Ⅳ軸
心理的・社会的・環境的問題

第Ⅴ軸
全体的評定
------------
けどこれ、どの疾患の診断でも、
こういうプロセスをたどります。
どういうことかって、たとえば、

39度の発熱→インフルエンザだ!
とか、
あ、咳が出る→MERS感染だ!!
とか、
ちょっと下痢!→赤痢だ、即隔離!

…とはならないのと同じことで、
現段階では39度の高熱があっても、
いろんな軸で診断するでしょう。
------------------
今回の異変は[今日・昨日以前・不明]

体温の上昇は[急激・じわじわ]

頭痛は[ある・ない]

咳・くしゃみは[ある・なし・時々]

鼻水は[始めからある・後から出た]

関節の痛みは[ある・なし・時々]

寒気・悪寒は[ある・なし・時々]

今までに大きな病気は[ある(いつ)・なし]

インフルエンザウイルスが[いる・いない]
------------------
と、これだけの軸を経て、
「あなたは[風邪・インフルエンザ]ですね」
って診断されるわけです。
DSM-Ⅳはこの手順が最大の特徴。

が、なんということでしょう。
DSM-5ではこの専売特許?が廃止。
DSM-5では多軸評定が廃止

軸にそって○×って診断方法は、
"正常"と"異常"の境界線が明確で、
わかりやすいってメリットの反面、
2択で解決できないケースもある。

なので、
正常と異常を連続体Spectrumスペクトラムでとらえる
という視点から改訂を加えた。

ココ大事な用語なのでもう一度。
"正常と異常を連続体Spectrumスペクトラムでとらえる"

スペクトラム視点でとらえた結果、
「DSM-5ではアスペルガーがなくなる!!」
とセンセーショナルに一人歩きして、
けっこうな騒ぎになりましたけど、
そうじゃなくて、こういうことです。

正解は、"サブグループが統合された※"。

※レット障害は、
原因が染色体の異常と発見されて、
自閉症スペクトラムから除外された。

多軸評定の代わりに導入されたのが、
DSM-Ⅳの診断軸を形式的に残して、
各疾患の重症度を判定するための
多元的診断(ディメンション診断)』。

項目別[ある・なし]の代わりに、
精神疾患・パーソナリティ障害、
発達障害の重症度を%で判定する。

白か黒か、ではなくグラデーション。
んで、こういうことになりました。
(図はwikiから、暫定版だそうです)


で、

5つの疾病を1つにまとめちゃって、
しかもアスペルガー障害の削除って、
どういう大雑把な、と思ったが、

いきさつをあれこれ読んでみると、
これまた今日で終わらなさそう。
一読してみて、また書きますです。
また後日、改めて。

では、本日のおまとめ。

①DSM-5では、
多軸評定がなくなり、
『多元的診断(ディメンション診断)』
が導入された。


②DSM-5では、
「広汎性発達障害」の5疾病を統合し、
「自閉症スペクトラム」とした。
(レット障害は除外)


ちなみに、ICD-10の分類では、
アスペルガー症候群を始めとする、
自閉症、レット症候群は残ってます。


梅雨明けが待ち遠しいねー
もう着るものがないよー

あ、そうそうw 
DSM-Ⅳまでローマ数字なのに、
DSM-5はなぜ算用数字なのか?とか、
調べたり考えたりしないように!

調べてもたぶん出てこないし、
そこは試験には出ませんよー



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