困窮の中で最も罪深いもの | ペーパー社会福祉士のうたかた日記

ペーパー社会福祉士のうたかた日記

社会福祉士資格をとるまでと、とったあと+α。浮世のつれづれ、吹く風まかせの日々。

今年受験された方、復習タイム。
来年受験を控えた方、基本事項の確認タイム。

科目【社会保障】
1942年、その後の社会保障に多大な影響を与えた、
イギリスでまとめられた報告書は?
…ベヴァレッジ報告ですが(お手付きは1回休みw)、
その中で、再建の道を阻む状況をたとえて言った、
「5つの巨人」をすべて答えなさい。

答:窮乏、疾病、陋隘(ろうあい*)、無為、無知
(または、窮乏、疾病、不潔、怠惰、無知)
*ろうあい…むさくるしいさま。不衛生な住宅・環境のこと。

訳によって表現は少し分かれるが、
ここではそういうことを問題にしたいのではなくて、
(受験生は言葉の暗記じゃなく、本質を理解してねー)

この5つの中で、最も解消すべきもの、
最初に着手すべき、優先課題といえば、なんだろう。

5つは複雑にからみ合って、混ざり合っている。
1つを取り出そうと、汚い木箱に手を突っ込んで、
これだというものをつかみあげても、

それにはずるずるっと、濡れた髪の毛みたいに、
あらゆるものが引きずられて、
それを引っ張れば、箱ごと持ち上がりそうな気配がする。

が、しかし。
今日、決断を迫られたら、私は迷うことなく、無知をあげる。
私が、前回、吐露した記事に、答えてくれた人がいるから。
以前からたびたび、書いている、
文京区在住ファンキー在宅訪問介護界のボスである。

何度も書いているが、私はボスとは一面識もなく、
ただ、ご自身で発信されているブログや、
主宰されている団体や、その周辺の活動から、

この人がいる限り、日本の福祉は死なないと、
大げさでもなんでもなく、そう確信している。

無知と幸福と傲慢の境界線 2012-02-14 07:30:50
が、ボスの目にとまったかどうかは、知らない。
でも、昨深夜にupされたボスのブログは、
まるで返歌のように、同じ内容について、書かれていた。

ボスはこうはっきり答えてくれた。
無知は幸福でも傲慢でもない、無知は罪悪だと。
無知は、困窮の中で最も罪深いものだと。

だから、僕もきみも、大事な人を傷つけないよう、
知らないことを知ろうとしよう、と。

そう、こんなとこでめげてちゃいかんのだ。
うつむいているわけにはいかんのだ。

無知は、無用な傷を生み、差別の温床となり、
あらゆる欲望と不安を刺激し、煽り、諍いの根源をなす。

ルワンダのことじゃない、レバノンのことじゃない。
遠い世界を持ち出すまでもなく、日本もだ。

放射能を「うつるもの」と考えて、
役所に抗議したり不買運動したりする。
縁談が破談になったり、子どもがいじめられたりする。
もう21世紀にもなるのに、現実はこんな風だ。

子宮頸がんって、遊んでる人がかかるんでしょう?
児童虐待って連れ子に多いんでしょう?
夫が育休なんかとったら、出世できないんでしょう?

こんなのを、えっ、そうなの、と信じてはいけない。
ん?ほんとにそうか? といったん、立ち止まってみる。
特に、社会福祉士をめざすなら、必須のcome to a stopだ。

みんなが知る努力を怠っている、とは言わない。
また、疑り深くあれと言っているつもりもない。
必要なのは、正確で根拠のあるデータを調べることだ。
直接あたれるなら、自分の目で確かめることだ。
人に会うのも、ものを見るのも。

手間を惜しまず、労をいとわず、
ほんとのことはなんだろう、根拠はどれだろうと、
考え抜き、あらゆる視点からの情報を調べ尽くす。
一部を全部に拡大解釈しないため、
かつまた、微少なものでも見逃さないため。

その過程で、数限りない人生と出会い、学び、
1人1人に寄りそうための想像力と感受性が培われ、
その上で、必要な資源とその人を結びつけるという、
具体的な援助ができるのではないかと思う。

じゃないと、ボスが言うように、
自分の発言が、いつか誰かを追い込んだり、
立ち直れないほど深く傷つけたりする。

そのとき、どんなに、不本意でした、といっても、
人の心は戻らないし、関係は修復できない。

そして何より恐ろしいことは、
あふれんばかりの情報の中での「困窮」とは、
必ずしも、経済的なそれだけを、意味しない。
肝に銘じて、自戒していこう。

私はあの二世議員の発言で、たくさんの涙を流した。
でも、ボスの言葉があって、
どんなにどれだけ傷ついても、やっぱり人間は、
素晴らしく素敵な生き物だと思うし、
どの人生も、生きるに値する素晴らしいもので、

かの益川敏英先生も、こう言っている(大意要約)。
「短い視点で見れば、歴史は差別や偏見に満ちている。
でも、100年単位で見ていくと、黒人が大統領になる。
僕は、そういうことに、希望を抱くんです。」

よかった。闇から出られた。
私はまたしても、ボスに救われた。ありがとうボス。
あなたの発信した1つの記事は、間違いなく、
社会の末端にいる社会福祉士に、届きました。

3月必ず会いに行きます。
(250人分のricorico1214だけど)

我ながら、コーフン気味で支離滅裂w
でも嬉しかったから、このままup!
そーれぽちっとな。