魚道部!のTwitterをご覧いただいたからご依頼をいただき、ヤドカリの剥製を制作させていただくことになりました。

 

依頼者様が飼育されていた個体が亡くなってしまったらしく、形に残して手元に置いておかれたいとのことでした。

 
 

 

 

 

送っていただいたヤドカリがこちら↓

これはオカヤドカリでしょうか?

体長7㎝程度と剥製にするには小さすぎるサイズですが、依頼者様にとってはかけがえのない家族ですので、思い出を形に残せるように頑張ります。

 

 

 

それでは制作開始です。

 

 

 

まずはボイル。

 

 

 

 

 

肉を取り除きます。

剥製として使用しない腹部も除去します。

 

 

 

 

 

ポーズを整えて乾燥させます。

爪楊枝と見比べるとその小ささが伝わるでしょうか?

 

 

 

 

 

約一週間後・・・

 

 

 

 

 

腐敗臭もなく、なかなか良い感じに乾燥してくれました。

 

 

 

 

 

この時点で殻を被せて仮合わせしてみたのですが・・・

あれ?

殻に入らない!!!

 

どうやら乾燥中に歪みが生じた模様です。

これは想定外😣

 

 

 

 

 

不具合箇所を微調整して・・・

なんとか殻に収まりました。
とりあえず一安心です ε-(´∀`*)ホッ

 

 

 

 

 

続いては塗装です。

まずはベースとなる白を全体に塗り

 

 

 

 

 

その上に色を重ねていきます。

 

 

 

 

 

塗装中...

 

 

 

 

 

塗装終了。
 
詳細は省きますが、依頼者様に何度もチェックしていただきようやくこの色彩にたどり着きました。

こんなの楽勝だと高を括っていましたが、塗装に三日もかかるというなかなかの難物でした💦

 

 

 

 

 

塗装が終わったら、いよいよ仕上げ作業です。

色褪せを防ぐために、耐光性のある塗料でコーティング。

 

 

 

 

 

最後に艶消し塗装をして完成です。

 

 

 

 

 

殻に入れるとこんな感じに仕上がりました。

 

依頼者様に何度も確認していただきながらポーズや塗装の直しを繰り返すのは大変でしたが、

先方からは

「亡くなった家族とまた一緒に生活できて幸せです」

とありがたいお言葉を頂戴し、今までの苦労がすべて報われました。

かけがえのない家族との思い出を形に残すお手伝いができ、そしてご満足していただけたとのこと、剥製師としてこれ以上の喜びはありません。

 

今回も初めて手掛ける種類でしたが、この経験を通してオカヤドカリも剥製にすることができると知ることができ、また一つ制作の幅を広げることができました。

 

最初から無理だと諦めてしまうのではなく、挑戦してみることも大切ですね。

 

これからも頑張ります。