今回は博物館からご依頼いただいたサワガニの剥製の制作です。

 

先方から地元に生息するサワガニの剥製を展示したいとご連絡があり、現地で捕まえたサワガニを冷凍便で送っていただきました。

 
 
 

送っていただいたサワガニがこちら↓

サワガニは赤いイメージがありますが、こんな色の個体も存在するんですね。

初めて見ました。

 

 

 

 

 

2匹だけ作るのは寂しいので、冷凍庫にストックしてあるサワガニたちもついでに剥製にしようと思います。 

 

 

 

 

 

それでは制作開始です。

 

 

 

 

 

まずはボイル。

白い子たちは茹でても赤くならないんですね。

また一つ新たな発見です。

 

 

 

 

 

続いて除肉。

耳かきなどを使って肉を取り除いていきます。

 

 

 

 

 

 

除肉終了。

 
 
 
 
 

折れている脚は、 

 

 

 

細い針金を中に通し、 

 

 

 

ボンドでくっつけます。 

 

 

 

 

 

 

ポーズを整えて乾燥させます。

 

 

 

 

 

約1週間後・・・

 

 

 

 

 

充分に乾燥したので、いよいよ塗装です。 

 

 

 

 

 

まずは全体を白く下塗り。 

 

 

 

 

 

先方からこんな感じに塗装してほしいと画像を送っていただいていたので、

 
 

 

画像を参考に塗装。

 

先方に確認していただいたところOKをいただいたので、この子たちはこれで仕上げることにします。

 
 
 

ちなみに残りの3匹は、

ノーマルカラーにするのも面白くないので、紫色に塗ってみました。

インターネットの画像を見ながら塗装してみたのですが、こんな色の個体を見たことがないのでこれが正解なのかわかりません😅

 
 
 
 
 

絵の具での塗装が終わったら、最後にコーティングを施します。

 
 
 

いつもはコーティング剤にウレタンを使っていたのですが、

 
 
 

ウレタンが入っている缶にはこのような表記があり↓

実はこんなに体に悪いんです。

 

 

 

 

 

そこでもっと体への害が少ない塗料を探したところ、

 

 

 

 

 

ホルベインというメーカーが販売している「屋外用トップコート」なるものを見つけました。

 

 

 

耐候性、艶出し効果もあり、なんと毒劇物成分を含まないという優れものです。

これはウレタンに代わるコーティング剤として使えるかもしれません。

試してみる価値ありですね。

 
 
 
 
 

というわけで早速塗ってみましょう。

 

 

 

 

 

ボトルから出したときは乳白色の液体ですが、

 

 

 

Now コーティング中... 

 

 

 

 

 

乾くとこんなにツヤツヤになります。

 

✨+゚+。:.゚おぉ(*゚O゚ *)ぉぉ゚.:。+゚✨

 

これはなかなか良い感じに仕上がったのではないでしょうか。

予想以上の効果に大満足です。

 

 

 

 

 

ご依頼いただいていた2匹も先方にご満足いただけたみたいで、また一つ剥製師として自信をつけることができました。

自分が作ったものが評価されるのは嬉しいですね。

博物館で展示される日を楽しみにしています。