ヘブン先生の過去が明らかとなった今週の朝ドラ。重苦しい場面が続きました。
水曜の放送回で先生は、松江に留まるつもりはない理由を、
Like a bird, I’ll continue to drift.
(これからも鳥のように彷徨
い続けるでしょう)
と説明します。
鳥のようにとわざわざ付け加えたことが、後で飼っている鳥を逃がすことにつながるわけですが、私にはdrift(漂流)という単語の強さのほうが印象的でした。
普通なら、I will continue to travelとか、my journey will continueで済むところを、driftとすることで、自分の意志と関係なく流れる身であることが伝わります。
木曜の放送回では、他者との人間関係をどう考えているかが、先生自身の言葉で語られました。
I resolved never form a deep relationship with anyone ever again.
人と深く関わることは やめたのです。
Any country, any city, I mean I am just passing-by
どの国でも どの街でも ただの通りすがりの人間として…(生きていくことにしたのです)
No emotional attachment
誰とも深く関わらない
No lovers, no friends, nothing.
恋人でも 友人でも 誰でも。
That was my decision.
そう決めたんです。
んー厳しいですね…特に、No emotional attachmentが。
短いセリフを、自ら言い聞かせるかのように、重ねてたたみかける先生。
間に日本語が入ることで、一つ一つがより強いインパクトを残したと思います。
強気だった令嬢は涙をため、通訳する錦織先生も一瞬言葉を失い、表情を強張らせます。
帰り道、錦織先生は虚ろな目線で押し黙ったまま先生の後ろを歩いていました。
米国中東部に出張した時のこと。
様々な国籍の人が訪れるニューヨークやDCとは勝手が違い、疎外感に包まれます。
現地移動用に車と運転手は付けてもらいましたが、後はすべて自己手配。
どんより曇った空からいつのまにか小雪がちらつきはじめ、心細さで一杯になりながらホテルに到着し、カウンターで手続きを終えると、ごつい体つきの女性スタッフが一言、
You are ALL SET.
緊張でガチガチだった全身から力が抜けそうなくらい、ホッとしました。
魔法のような言葉だと思いました。
今も昔も、数え切れない旅人が様々な想いを抱えてアメリカ大陸の山と河を越え、この街を訪れて去ったはず。
ここはアメリカなんだと実感した、忘れられないフレーズです。
皆様よい週末を。

