皆さんは自分の子供以外の家族の歯を見たことがありますか
私は、亡父が末期癌になり、手術も抗がん剤も使用できない状態と言われた時、自宅で私が治療をしようと決心し、その時初めて父の口の中を診察しました。
そして愕然とし、これでは癌のコントロールは非常に困難だなと、とても落胆しました。
歯がほとんどなく、金属の歯が1-2個あったのみだったからです。
私が子供の頃は、父は自分の歯には虫歯が一本もないと自慢していたのにです。。。
これまでどうやって食事をとっていたのでしょうか?
ほとんど丸呑みだったのでしょうね。。。
歯の治療は歯科医師にお願いするしかありません。
末期癌の状態では、名医の歯科医師に診察していただくのは無理と断念しました。
私は自分の歯も色々なトラブルがあり、これ以上虫歯を増やしたくないと考え、健康な歯を維持する予防法は勉強しました。
しかし、病気になってしまった歯に関しては、医師は治療できません。
クリニックに難病の患者さんが来院することが多くなり、その方達の診察で歯の充填物が金属だらけである場合、いくら食事療法、サプリメントを投与しても、効果が出ないことの方が多いと説明して、まず信頼できる歯科医師にアマルガムなどの合金を使用していないか見極めてもらってくださいとお願いします。
アマルガムは水銀を含む合金で、水銀は神経細胞に猛毒であることはよく知られています。
一言で言うなら、歯の詰め物からの毒が絶えず身体の中に入り続けるなら、それが全身に影響し、いくらデトックスをしても終わりがないからです。
内部の敵には人間は無防備です。
歯の問題に関しては、特に歯科治療によって起こってくる弊害(歯原病)については、さまざまなことがわかっています。
いわゆる歯原病にはどのような症状があるのか、まとめて整理して読者の方々に認知していただき、さらに虫歯を予防し、健康な歯を維持することが、健康な身体づくりにいかに重要かということを知って頂きたいと思い、ブログにまとめました。
この原稿をまとめるにあたって、私は4人の歯科医師達のご著書などを参考にして書かせていただきました。
大橋康之先生 https://smile72.com
村津和正先生 「歯は臓器だった」 株式会社KOS
小峰一雄先生 「名医は虫歯を削らない」 竹書房
ジョージ・E. マイニー先生 「虫歯から始まる全身の病気―隠されてきた「歯原病」」 恒志会刊行部
A. 虫歯、歯槽膿漏の予防法
主として小峰先生のご著書からまとめさせて頂きました。
虫歯
ネットより引用
歯の象牙質には細管が走っていて、この細管を通しての「象牙質液体移送システム」という働きがあるそうです。
脳下垂体視床下部からの指令で耳下腺を経由して伝わる、歯の内部の液体が象牙質細管柱を通り歯の外側に流れ出る仕組みで、これが正しく働けば、虫歯菌は歯の内側に侵入できないようです。
このシステムの逆流、あるいは停滞が起こる(内分泌機能の低下、偏った食生活、ストレス等により)ことで虫歯になり、口と身体がこのシステムでも繋がっていることがわかります。
さらに、食後すぐに歯磨きするのでなく、30分以上経ってから歯磨きをした方がよいとも本には記載されています。
食事として歯についた酸性の食べ物はエナメル質を柔らかくしますが、唾液はそれを中和する作用とエナメル質を再び修復する再石灰化の作用があるので、食後すぐに歯磨きをして柔らかくなったエナメル質を傷つけるより、再石灰化を促す時間を取った方がよい考えられているからです。
このことから、食事はよく噛んで、唾液の分泌を充分にさせる必要性もあることが理解いただけると思います。
とにかく予防が大切で、虫歯の予防としては象牙質液体移送システムの逆流や停滞を防ぐことが必要で、それを起こす5つの原因を小峰先生は掲げています。
1.砂糖 (象牙質液体移送システムの流れを逆行、停滞させる)→予防はシュガー・カット
2.ストレス
3.運動不足
4.ビタミン、ミネラル不足
5.薬物 (唾液が出にくくなる口渇を起こす薬)
私は糖質制限をお正月に緩めたところ、根管治療をした歯が疼き出し、アロマオイルの併用とともにまたシュガー・カットを厳密にしてみたら、痛みがなくなったことを経験しています😅
歯には自己再生能力があり、削ることにより色々な歯原病を引き起こしてくるため、虫歯を削らないで治す方法を先生は紹介してくださっています。
ドックベスト療法という治療法で、ドックベストセメントという薬を虫歯の穴に詰めて蓋をして新たな菌の侵入を防ぐ方法で、殺菌作用のある銅2%と鉄1%に複数のミネラルが含まれていて、そのドックセメントが細菌繁殖を防いている間に歯の再石灰化が可能となります。
しかし、私の主治医である大橋先生は、その中の成分、銅に対するアレルギーがでてドックセメントを外さざるを得ないケースがあることも教えてくださいました。
歯周病 歯槽膿漏
炭水化物の取りすぎ、向精神薬、ステロイド、降圧剤などの服用、合成界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム等)入りの歯磨き粉(合成界面活性剤は蛋白腐食剤)などが原因として考えられます。
また、カルシウムの取りすぎは、骨を弱くするので、マグネシウムを摂ることが重要だと述べています。
歯槽膿漏と関係するPorphyromonas gingivalis菌がアルツハイマー病の原因の一つと考えられるという論文も出てきましたので、認知症の予防にも歯槽膿漏の治療はとても重要だと思われます。
癌体質
小峰先生は虫歯が多い人は血管が老化している場合(砂糖からAGEsが形成される)が多いことも指摘され、癌体質と虫歯、歯槽膿漏ができる人には共通項が多いことも述べています。
以下がその共通項です。
1.糖質を好む
2.低体温
3.交感神経優位
4.呼吸が浅い
5.酸性体質である→歯が着色しやすい
B. 歯原病
歯原病に関しては、大橋先生(ホリスティックに歯を見てくださる先生で、ホメオパシーのレメディーやフィシオエナジェティックというキネシオロジーの手法を用いて病巣検索、治療法などを組み立ててくださいます)のホームページ、パンフレットの内容とジョージ・E. マイニー先生のご著書を参考にして記載しました。
1.感染根管
神経を抜いた歯から起こってくる病態で、細菌が象牙細管の中で増殖し、菌血症、毒素を全身に巡らせる。
病態;膠原病(リュウマチ、線維筋痛症)、橋本病、心臓病、腎臓病、不妊、免疫低下、皮膚炎、発癌(慢性感染症が発癌を促す)など。
2.顎骨病巣 ボーンキャビティ、NICO(神経痛誘発性空洞化骨壊死)
感染根管歯や、抜歯後に骨膜歯根膜を剥離しないと起こってくる空洞化した骨。腐った骨を摘出する必要があるが、病態は感染根管で起こってくる病態と同じ。
3.水銀アマルガムの水銀毒
特に神経細胞に毒である水銀の含まれるアマルガムを無防備に取り除くと、水銀ガスを吸い込むことになり、病状が悪化する。
病態;アトピー性皮膚炎 、リーキーガット、偏頭痛、視覚障害、記憶障害、うつ、めまい、耳鳴り、アレルギー、関節痛、慢性疲労、カンジダ増殖、副腎疲労、甲状腺障害など。
4.金属アレルギー(歯科材料のパラジウム合金、ニッケル、水銀)
インプラントの材料、チタンにも不純物としてニッケルが含まれることがある。
病態;アトピー性皮膚炎、腰痛、顎関節症。
5.ガルバニー電流
歯の詰め物、被せ物、インプラント、入れ歯などの金属間に流れる電流で、唾液がその媒介をする。
病態;不整脈、眼瞼痙攣、五十肩、顎関節症などの関節の運動制限。
6.電磁波との影響
電磁波過敏症の症状が、口の中の金属がアンテナの役目をして起こしている可能性があり、メタルフリーでその症状がとれる可能性がある。
C 噛み合わせ
この項目は村津先生のご著書を参考にして記載しました。
歯の噛み合わせはとても重要で、ここを矯正することにより、噛み合わせが悪かったことによる全身の病態が改善する例が何例もご著書に記載されています。
主として2つのラインをお考えになり
1.歯と脳のライン 自律神経、内分泌の機能に影響、血圧のコントロール
(高血圧が噛み合わせの調整、歯の詰め物の金属の除去により改善した例は、クリニックの患者さんにもいらっしゃいます)
2.歯と筋肉のライン 側湾症、顎関節症、姿勢の歪み、眼瞼痙攣、鼻閉、手の痺れ
(クリニックの患者さんで、大橋先生に噛み合わせの調整をして頂いただけでひどい頭痛から解放された方もいらっしゃいます)
村津先生はさらに
●よく咀嚼することにより唾液の分泌が良くなり、心と身体の全身運動につながり、それが胃腸系の機能準備も整えてくれて、食物の消化がよくなる。
●片噛みが良くないのは、骨梁に左右差が生じ、眼軸がずれるため。
●耳に関しても噛み合わせが悪いことにより突発性難聴が起こり、噛み合わせを良くすることで難聴が治った例も紹介。
●平衡機能、敏捷性、柔軟性など生命機能の中心点にも歯の噛み合わせは関与している→健康な歯でよく噛み、適正な噛み合わせのできる歯は老化を防止する若返りの切り札。
とおっしゃっています。
以上のように、歯原病になる前に虫歯、歯槽膿漏を予防して、歯の噛み合わせを矯正することは身体全体の健康を維持するための必須の条件と考えました。
たかが歯ではないのです。
医師である私は、特に早食いの傾向があったので(亡父もそうでした)、よく噛んで食事を楽しみ、自分の歯を大切に、と改めて自分に約束しました😅
そして皆様も、ご家族の歯を時々点検してあげてくださいね
Copyright(C) 2022 Yui Clinic. All Rights Reserved.