「女子の武士道」という本を読みました。
私の父は皮膚科、泌尿器科専門医だったのですが、私は父の背中を見て育ちました。
そんな父から貰った言葉で、私の生きる指標となった言葉があります。
「自分でやると決めたことは、最後までやり通せ」
この言葉に沿って、今まで自分でできる最大限の努力をしてきたのではないかと自分の人生を振り返っております。
そしてこの言葉は「武士道」の教えであると最近気付きました。
そんなことから、とてもこの本の内容に興味を持ちました。
読後、これからの不透明な時代を生き抜いて行く必要があると感じている女性には、とても参考になるのではないかと感じ、ここで内容を少しご紹介したいと思います。
著者は米沢藩士の末裔である御祖母様から聞いた言葉が武士道の精神に基づいたものだと気付き、これからの女性に生きる指針となると考え、その御祖母様の言葉を紹介した本です。
彼女の御祖母様は、幕末維新で賊軍の汚名を着せられた曾御祖父様から厳格な武士の娘として躾を受け、明治、大正、昭和と激動の時代を生き抜いた方です。
幼い時、子守をしていた赤子を守るため、自分の左眼を犠牲にしてその子を守ったことで失明し、道楽息子と結婚し、関東大震災、世界大恐慌を経験し、第二次世界大戦で嫡男を失うという人生の荒波を乗り越えてきました。
その御祖母様の言葉が
1. 生きる指針となる武士道
2. 妻の武士道
3. 母の武士道
4. 働く女性の武士道
5. 己に克つための武士道
と5章にまとめられています。
1. 生きる指針とは
「義」であるとしています。
「義」とは自らの身の処し方を道理に従ってためらわずに決断する力で、打算や損得のない人間として正しい道「正義」のことであり、大地のようなものである女性の「義」とは男性と対立するのでなく補い合い発展させることであると述べています。
2. 妻の武士道には
「仁」が大切であると説きます。
大らかな他者への情愛=仁、そして思いやりの心=礼が必要で、「人は鏡」なので、相手の良いところを見ようとする努力が大切だとしています。
3. 母の武士道では
「子供を育てる」ということは未来を創ることであり、子供には克己心=辛抱できる強い心、誠実さを育む重要性を説いています。
物より心、目に見えないものを大切に、贅沢が人間を堕落させる最大の敵と述べています。
子供を「かわいそうだ」と思った瞬間、その子はかわいそうになると説きます。
4. 働く女性の武士道では
自分の才能を世のために使うのが仕事と説きます。
認められる人材になることを望むのであればまず、相手を引き立てることが必要であり、そしてその仕事は他人の評価より自分で納得できるものかどうか重要と説きます。
人生は判断の連続であり、最後の決断は自らすべての責任を負う覚悟が必要であるとしています。
上に立つ者ほど腰は低く、人に寛大で自分には厳しい本物の気高さが備わってくると述べています。
5. 己に克つための武士道
自分の弱さ(欲望、私利、私欲)に打ち勝つためには心を平静に保つ必要があると述べています。
逆境は宝であり、それを乗り越えるために自分を客観視し(空から自分を眺め)肩の力を抜き、腹をくくって穏やかさ(静けさ)とともに覚悟を決めなされと諭します。
私の要約が著者の意図するところと違っている可能性はあります(笑)
私は著者から一銭もいただいておりませんが(笑)、特にこれから母となる女性に最適な本と感じ、興味を惹かれた方はご一読をお勧めします。
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