私は今まで小児科医として自分の子供に打ったワクチンを患者さんにも勧めてきました。

 

 

 

物事には常に良いところと悪いところ両面があります

 


ワクチンも良いところ(メリット)と悪いところ(デメリット)をしっかり把握して、最終的にはご両親がどのワクチンを受けさせるかを選択するのがベストと私は考えます。


(日本の勧める定期接種に今のところ強制力はありません)

 

これからご両親がワクチン接種を選択する際に参考にして頂けたらと思われる事柄を述べてみます。

ワクチンの有効性を述べるのにあたり、対象者を均一の集団と見なし統計論的に有効率を論じてワクチンを勧めるところに無理があると私は感じています。

人間には遺伝子多型があり、エイズウイルスや麻疹ウイルスに対するレセプターのない個人も存在し、そのような個人はウイルスに感染しても発症しないし、ワクチンを接種しても抗体の上がらない個人が存在します(non-responder)。

また、色々な病原体に対して、特定の遺伝子を持った個体は感染すると重症化することが最近分かってきています。

さらに、年齢によって同じウイルスに感染しても年齢が高ければ(或いは低ければ)重症化するなど病態が異なることはよく知られている事実です。

成育環境(食生活=We are what we eat、周囲の環境、土、水、空気の汚染など)の変化によってもその個体の免疫が低下し、同じウイルス感染でも悪い環境にさらされた個体はその感染が重症化します。

即ち、個々人に対応したきめの細かいワクチン接種が、場合によっては感染防御として必要となると考えます。

将来的にはこの遺伝子を持った個体は、この病原体に感染すると重症化すると分かれば、その個体だけにワクチン接種をするという選択肢が出てくることが望ましいのではないかと私は考えております。

更に現代では自己免疫力を高める努力=食生活の改善と、環境汚染を出来るだけ避ける工夫が必須となっていると考えます。


ワクチンの有効性を述べている時、何処の研究所で造られたワクチンかということが言及されていないことが多く、メーカーの違いによる効果の差異について述べられているものが殆どないと思います。

メーカーにより添加物の内容に違いがあり、作成方法も違い、その内容を知ることがワクチンの副反応を考える時のひとつの拠り所となると考えます。

私は北里研究所にリサーチで通っていた時、ワクチンを製造する方から直接話を聞いたことがありますが、免疫増強剤(adjuvantを選ぶに当たっても日本人に適した素材を用いる必要があり、副反応が出にくくワクチン効果を上げる調節は、職人芸的なところがあると仰っていました。


医師の目で何処の会社のワクチンを選択して使用するかも重要なポイントとなってくると考えます。

 

.ワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン」があります。


生ワクチンとは病原体は生きているが、病原体のウイルスや細菌が持っている病原性を弱めているので、身体の中で徐々に増え、接種後13週間に自然に罹患したのと同じような軽い症状が出ることもあります。

 

MR(麻しん風しん混合)、麻しん(はしか)、風しん、おたふくかぜ、水痘(みずほうそう)、BCG(結核)などは生ワクチンです。

 

 

不活化ワクチンは、病原性を無くした細菌やウイルスの一部を使うので、生ワクチンに比べて免疫力が弱く、何回かに分けて接種しないと免疫が付きにくく、免疫増強剤(adjuvantが必ずワクチンに含まれています。

 

DPT-IPV四種混合(D:ジフテリア・P:百日せき・T:破傷風・IPV:不活化ポリオ)、DPT三種混合、DT二種混合、日本脳炎、インフルエンザ、A型肝炎、B型肝炎、肺炎球菌、インフルエンザ菌b型 (Hib)不活化ポリオなどが不活化ワクチンです。

 

トキソイドとは、細菌の産生する毒素(トキシン)を取り出し、免疫を作る能力は持っているが毒性は無いようにしたもので、不活化ワクチンとして分類されることもありますが、ジフテリア、破傷風のワクチンは、トキソイドです。

 

遺伝子組み換え技術を用いて作成しているのが、B型肝炎、ロタウイルスワクチンです。

 

生、不活化両方のワクチンに共通して混入してくるものに病原体の培養過程で添加される牛などの血清や生成過程で培養細胞中の取り除けない成分(未知のウイルス?)が入ってくる可能性があります。

 

生ワクチンでは、安定剤としてグルタミン酸ナトリウム、抗生物質(エリスロマイシン、カナマイシン)が添加されている事が多いです。

 

 

不活化ワクチンではadjuvant として破傷風トキソイド、ジフテリア毒素、アルミニウム、油性アジュバントなどが添加され、保存剤としてチメロサール(水銀)、フェノキシエタノール、エデト酸ナトリウム、ホルマリンなどが入っています。

 

強すぎるadjuvantを幼少時に体内に入れれば未熟な免疫系を過剰に刺激して正常な免疫機能の成熟を傷害し、アレルギー的な反応を起こし、神経毒であるアルミニウム、保存剤の水銀は神経のネットワーク形成にも影響を及ぼすことは推測できます。

 

個別のワクチンで、必要だと思われるワクチンについての私見です。

1.麻疹ワクチン

私が主治医ではなかったのですが、ワクチン歴のない、中学生の女児が麻疹に罹患後、一夜にして脳症で死亡したケースを経験しています。


ダウン症の男児が麻疹罹患後、肺炎肺線維症で死亡した例も経験しております。


免疫異常のない子どもでも、病院受診を必要とする麻疹に罹患した子ども達は高熱が続き気管支炎は必発で、肺炎を併発することもある疾患です。


High risk群には麻疹ワクチンは接種をしたいと私は考えています。

 

麻疹ウイルスの構造上、receptor につくH遺伝子は変異を起こしにくく単一血清として扱えるウイルスなのでワクチン効果も期待できますので、私はAIK-Cワクチンを選択しています。

 

 

 

麻疹に対しては自らが考案したHomeopathicなアプローチも非常に効果のある方法と私は感じております。

(他のウイルスは効果が殆どないようです)

 

2.OPV(ポリオ生ワクチン)

このワクチンの緊急導入で日本のポリオの大流行を阻止できた経緯があります。

 

 

それだけ効果のあるワクチンですが、日本でポリオが根絶されてからはワクチンによるVAPP(vaccine-associated paralytic poliomyelitis) の発症を認めるようになり、最近不活化ポリオワクチン(IPVに切り替えられました。

 

 

 

IPVはポリオ流行地での流行阻止能力は弱いとされていて、ポリオが何らかの原因で再び大流行を起こした時には、OPVが必須のワクチンと感じています。

 

 

最後になりますが、私は自分の娘に、BCGMRDPTOPV、日本脳炎ワクチン(3回のみ)を接種させました。


破傷風やジフテリアは菌の毒素が全身を巡ると致死性の疾患となり、ジフテリアのワクチン予防効果は認められているようなので、DPT基礎免疫と考えて接種しました。


日本脳炎ワクチンに関しては、今は接種は必要なかったと考えております。

 

因みに、ゆいクリニックhttp://yui.clinic/)では2015年度から、肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンは接種を中止しました。


子宮頸ガンワクチンは日本導入当初から接種はしておりません。


参考となる情報があれば幸いです。





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