仮面女子について何から書き始めたらいいのか分かりません。
それは、相手のどこが好きで結婚を決めたのかという質問に口ごもってしまう感覚に近いと思います。好き過ぎて、知り過ぎて、ダメなところもたくさんあるけどそこすら好きで、具体的に何が決め手になって相手が自分の人生においてかけがえのないものになったのか上手く言い表せなくなってしまうのです。
去年の4月から特別養護老人ホームで働き始めました。28歳までフリーターとして気ままに過ごし、29歳から2年間専門学校に通って介護福祉士の資格を取りました。
正社員として勤めた経験が無い30歳という自分を僕は恥じていました。専門学校を卒業した3月の後半を、不安を自己嫌悪に苛まれながらジリジリ過ごしていました。ネットで大好きなアイドルの動画を貪るように観て、現実から出来るだけ逃避するように努めていました。AKB、ももクロ、モー娘。、アイドリング!!!、東京女子流、ベイビーレイズ……手当たり次第観ていたら、NHKの『ドキュメント72時間』という番組に出くわしました。テーマは「地下アイドルの青春」。秋葉原のパセラにある劇場で毎日ライブをやっている女の子たちに3日間密着したその番組を観て、激しく胸を打たれました。
彼女達は、続けていった先に何かが約束されているわけではない。敗れて当たり前のとんでもない夢のために、ごく短い若い時間を燃やしていました。毎日、将来への不安に押しつぶされそうになりながら、それでも今日出来ることを精一杯やろうと毎日を熱く生きていました。
僕は彼女達に自分を重ね合わせ、これからの自分の生き方に関するヒントを貰ったような気がしたんです。