待つ | アンダースタンド

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突然、ガンだと聞かされた父と家族のことを書いていきます。


地元の内科医から大学病院を紹介していただき、早速大学病院に向かった。

診察やレントゲンを撮り、結果はまた数週間後になります。といわれた。


この結果を待っている間、父も家族も最悪の結果しか頭に浮かばなかった。

きっと肺がんなんだろう。

でも、もしかしたら……。

1日1日がすごく長く感じた。


私は、都内にある駅ビルのショップで働いていた。

そんなに大きいお店ではないし、すごく売れるような店でもなかったけど

そこで働くのがとても楽しかった。

なにより良いスタッフに恵まれていたんだろうな。

長く付き合っていた彼氏もいる。それなりに充実していた。


母は専業主婦です。

毎日家事をして時間があればお友達とランチにいったりしていたらしい。


兄は高校を卒業してから東北で工業系の仕事をしている。

もう10年もいるから方言が染み付いている。

電話すると、こんな人だったかなというくらい訛っている。

一年に一回帰ってくるかこないかというくらい、会っていない。


姉は20歳くらいで結婚して子供が二人いる。

結婚前から問題はたくさんあって一年ほど別居もしていた。

現在は、実家から10キロ程はなれた所に4人仲良く暮らしている。


こんな普通の毎日が一変した。


結果を待つ間、父は仕事でクレーム処理やら部下の教育、上司への不満などたくさんのことを抱えていた。

仕事を終えて家に帰ってくるなり、母や私に仕事の愚痴を言うようになった。

以前までは、母に言うことはあっても私には全く言ってこなかった。

いろいろな感情が重なり分からなくなっていたのかな。


父は車で仕事場まで通っていました。


ある日、いつも通り仕事に行ったと思っていたら母の携帯に父から連絡が入った。

なんて連絡だったかはっきりおぼえてないけど

とりあえず、事故起こして逃げてきてしまった。的な内容だったきがする。

母は 今どこにいるの? と聞いたらしいが ぶちっと切れてしまった。

心配になった母は姉に連絡をとり、車で父と連絡を取りながら父の車を追いかけた。

しかし父は逃げる。

姉の子供が高熱を出していたため、追いかけるのを途中でやめて家で待つことにした。


それから10時間ほど父との連絡は途絶えてしまった。


私は仕事を終えて急いで家に帰りました。

その途中に何十回と父に電話をしましたが一回も繋がりませんでした。

家に帰るとぐったり疲れている母。

父にメールを送った。

 起きてるからなんかあったら連絡をして。

30分後くらいにメールが返ってきた。

 今千鳥足降りてららぽーと辺り ごめんな

ときた。

メールがきたんだから電話もでるだろうと母に電話をかけさせた。

どうやら東北道にいたらしい。これから家に帰るから。ということだった。

なんだそれ。という怒りと生きていて良かった。という思いで母は複雑な表情だった。


父は翌日の朝5時半くらいに帰ってきた。

10月の終わりだった。