外に出ると2月の風の冷たさが肌を刺すよう
だった
ひろとはまだイライラしている
「何で遅れて来たの?俺、今日、めっちゃ楽しみにしてたのに・・・」
「出かけに馴染みのお客様が来て・・・」
「何で?
理緒さん、今日休みじゃん!」
何で?どうして?ひろとはいつもそう聞いてきた。
子供が駄々をこねるように、私の行動を全て知りたがった
私はそれを愛しく思う反面、
少し鬱陶しくもあった
「休みの日でも、仕事がある時はでるの!!」と、
少し声を強くした私に、
ひろとは一瞬、ビクッとした。
そして、その横顔に少し寂しそうな色が写った。
それを見る度に私は…、
゛まあ、いいか…゛
という気持ちになった。
”恋愛は好きになった方が負け……゛
そう
最初から
私がひろとに勝てるわけがないのだから。