風邪 2 | 日々自分を愛する★世界を幸せにする

日々自分を愛する★世界を幸せにする

アラフィフ、独身、バツイチ。趣味は海外ひとり旅。2014年、私は不幸と思い込んでいた時にブログを書きはじめ、2020年の今、最高に幸せと感じられるようになるまでの日々、
感じた事をブログにしています。
良かったら一緒に面白がってください(๑˃̵ᴗ˂̵)

3時30分。


待ち合わせの本屋。


目の前には平積みされた今月の新刊が並んでいた。


私は、一冊、一冊、タイトルを流し見した。


時々、本を手に取り中を確認する。


本のページをめくっていたけど、内容は全く頭に入っていなかった。




日曜日の昼間、初めての待ち合わせ。



いつもになく緊張していた。





私はまだ、半信半疑だった。



ひろとに会えるのは嬉しい…。


でも会ってしまったら、

もう二度と離れられなくなる気がした。



全身全霊で彼を愛した挙げ句、

こっぴどくフラれる可能性もある。



私は本当にそれでいいのだろうか?


今なら、まだ間に合う。


このまま彼に会わず、帰ればいい…。



真面目な彼は、

そんないい加減な私を決して許さないだろう。



自分からこの関係を終わりにするのだ。



迷って、迷って、

本屋の入口から出かけた時…、




ひろとが現れた。





“ああ、神様…。”


嬉しいと同時に私は泣きたくなった。







日曜日の人混みの中でも、彼の存在感は圧倒的だ。



いや、本当は、ただ私が、

どこにいても、ひろとに気付いてしまうだけなのかもしれない。




ひろとがこっちに気付いた。

顔を上げて、一瞬笑う…。


だんだん、こっちに近付く…。



そして、
目の前に立った。



いつもの笑顔で笑っている。



「久しぶり」


「久しぶり~!

どこ行きます?」


「近くにお気に入りのカフェがあるから、とりあえずそこに行かない?」


「いいですよ」


言いながら、ひろとは咳き込んだ。


「どしたの?」


「今週、ずっと風邪ひいてたんですよ。
熱が39℃とか出て…。」


「マジで!病院行っ た?」


「友達に連れてってもらった。

でもずっと一人で寝てて、

誰からも連絡ないし、

誰も俺の事も心配してくれないんだって思って、
めっちゃ寂しかった。

理緒さんも冷たいし…。」


「……・・・・。

仕事は?」


「ずっと休んでる」


「大丈夫?帰る?」

「大丈夫。今日から仕事いくし。」


話ながら、
私達はカフェに向かった。