「おそーい!」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。」
遅れた時の
ひろとはいつもこう言う(笑)
「私はいいけど、蓮に悪いじゃん!」
「いいですよ、僕も自分のお客さんの時は遅刻しますよ(笑)」
「罰として、日本酒一気ね」
半分冗談で言ったのに、
ひろとは本当に一合を一気で飲んだ
飲み終わって、
少しすると真っ赤になっていた。
その後、二件目に行こっかという話になったが、
ひろとは
「俺は帰る!」
“え?”
私と蓮は顔を見合わせた。
そして、本当に、小一時間で帰ってしまった。
結局、
残された私と蓮は二人で飲みに行くことにした。
「なんか、彼氏帰ったのに、彼氏の友達と飲みに行く…。
みたいな感じだよね(笑)。」
「本当ですよね。」
蓮はまた苦笑いだ。
蓮はいつも私と
ひろとの間に入ってくれていた。
私達がケンカになりそうになると、
「まぁまぁまぁ」
というのが、
蓮だった。
そんな彼を私も信頼していた。
ひろとと何かあるといつも蓮に相談していた。
私は蓮を知り合いのバーに連れて行った。
「お友達です。」
と蓮を紹介した。
もし、今度ひろとと来た時に誤解されたくなかったから。
結局その後も私達は、
ひろとの話ばかりして別れた。