その日はずっとソワソワしていた。
なんだか仕事も手につかなかった。
仕事が終わってから黒のドレスに着替える。
美容院に行き、
髪のセットとメイクをしてもらった。
ひろとが前に可愛いと言ってくれたので、
グレーのカラコンも入れていた。
普段はナチュラルメイクの私は、
これだけで別人のようになった…。
そんな私を見るなり、
ひろとは言った。
「宝の持ち腐れだね…(笑)。」
「何よ、その言い方。他にも言い様があるじゃん!(笑)」
「だって、理緒さん別人じゃん。
普段から、それくらい頑張ればいいのに。」
ほんと子憎たらしいヤツだ。
そんな18歳に振り回される私も私だけど(笑)
ひろとの希望で、
場所はいつものラグナだったけど、
私達はいつもと違う時間を過ごした。
ラグナからいつも通り、ひろとの店に行き
「じゃあ、またね!」
と、帰ろうとした瞬間…。
引き寄せられて、
抱きしめられた。
背が高いひろとの腕の中に、私は収まってしまう…。
耳許に
「今日、めっちゃ綺麗…」
と囁かれた。
よく響く、ひろとの低い声。
それだけで、
立っていられなくなる気がした。