いつもの待ち合わせ場所に零次の姿があった。
まだ9時前…。
時間どうりに来た
零次に私は驚いて、
言った。
「どうしたの?零次。
約束守れるじゃん♪」
「守れるよ!(笑)」
澪次は言ったけど、
本当に珍しい事だった。
いつも零次は遅れて来る。
最大では四時間待たされた事もある。
ドタキャンされた事も一度や二度ではない。
それでも零次とご飯に行くのは、
いつも楽しかった。
零次と私は、歳が近く、趣味も合った。
仕事でへこんだときも、相談に乗ってくれた。
年が近かったせいか、境遇が似ていたせいか、
お互いに仕事の事も、プライベートの事も相談しあった。
陸とは違う意味で、
大事な友達だった。
「最近、仲良くしてるコがいてね…」
私は、自然にひろとの話を、零次にしていた。
陸の店で、
ひろとについて言われた事を簡単に話す…。
零次は彼の視点で色々、意見を言ってくれていた。
零次の考え方はいつも独特で、
私はその度に関心させられる事も多かった。
零次と飲むといつも飲み過ぎる…。
二人ともお酒が好きだったので、
一緒に飲むと飲み比べみたいになるのだ。
その日も私は泥酔していた。
「付き合おっか♪」
いつものノリで私が言うと、
「うん、いいよ♪」
零次が答える。
いつもの軽口だ。
“また、またぁ…”
澪次も陸もそうだ。
そういう色恋は、
他のとこでやって下さい(笑)
夜の世界の色恋的な事に、
巻き込まれるのは嫌だった。
ましてや零次にはこの間、
さらっと逃げられたばかりだ。
私は、私を本気で愛してくれる人が欲しかった。
これ以上ないほど本気で。
“そっか…。
私もウソつきか…。”
零次と話ながら、
明日、
ひろとに全てを話す決心をしていた。