怒りながら歩いていた私は、
速攻、
澪次に電話した。
まだ三次会をやってる時間だ。
「場所どこだっけ?」
澪次に尋ねて、
すぐにパーティーに戻っていった。
三次会はさすがに人数が大分減っていた。
それでも懐かしい友達の顔を見つけて、
横に座る…。
怒って別れたはずなのに、
私はひろとの話ばかりしていた。
3次会も終わり、私と澪次は最後まで残っていた。
二人でエレベーターに乗る。
帰り際、澪次に送ってもらいながら、
「帰りたくない…」
とわがままを言った。
ひろとに冷たくされた私は、
このまま、一人で帰りたくなかった。
ひろとのはっきりしない態度に嫌気が差していた。
忘れたかった。
ひろとの事を。
忘れたかった。
何もかも。
私は、
零次の目を見つめキスをせがんた。
一瞬沈黙してから、
零次は仕方なさそうにキスしてくれた。
それでもそのキスは
深く…、深く…。
ひろととは、
全然違う大人のキス…。
“もっと…”
と私は澪次の手を引いた。
「一緒に帰ろ?」
思い切って、言った。
誰かと一緒にいたかった。
誰かに抱かれたかった。
それが澪次なら申し分ない。
「ゴメン、片付けがあるから…」
と澪次。
彼の答えはわかっていた。
結局
キス以上の事はしてくれないのだ。
この人も…。
結局その事が、
この後、
目に見えないほど少しずつ、
私を追い詰めていった。