4722日目☆ | Riberry

Riberry

医学部を目指して代ゼミで2浪していた夏。
2008年8月~ 私の記録。
更新してたら生きてます。

『ユメミちゃん』

ユメミちゃんは、
女の子の姿をした妖精。


「この世界は、楽しいことばっかりだね。」

いいなぁ、ユメミちゃんは。
この世の中、そんなにいいことないよ
実際、なんで自分が生きているかもわからないし

「生きているのはね、幸せになるためだよ」

ユメミちゃん、
そんな簡単には、僕らは幸せになれないよ、
それに一生幸せになんかなれないかもしれない

「そんなことな~いよ!ほら今日、いい天気!」

ユメミちゃんって、本当に能天気っていうか
楽観的っていうか…。

多分ユメミちゃんは、今まで何も
辛いことや悲しいことがなかったから、
そんなに明るく楽しくいられるんだよ。

辛い人の気持ちとか、全然分からないでしょ?
分からないから、こんなに辛い思いをしている
僕の前にわざわざ現れて
そうやって僕の気持ちをかき乱すんだね。

「ううん、違うよ」

何が違うのさ。

「ユメミはね、辛い気持ちがわかってて、
辛い気持ちを抱えてる人をみつけることができるの」
「それでね、辛い人のところに、わざと行ってるんだよ」

ユメミちゃん、それはやめたほうがいいよ、
だって僕も、ユメミちゃんの振りまくポジティブさに
結構うんざりしているんだから。

「ユメミはね、幸せな人のところには行かないの」
「だって、夢は、今に満足してる人には必要ないでしょう?」

「夢を叶えた人に、ユメミは必要ないってこと」

じゃあ、ユメミちゃんが今、
僕のところにいるのは…

「きみは、今の自分に満足してないからそんな顔してるんでしょ?」
「きみは、ユメミを必要としてる」

夢ね…。
こうなりたいとか昔は思ってたけど、
今はもう、そんなことも考えられないよ。
それくらい疲れたんだ。

だから今更夢とか言われても。
正直、ユメミちゃんも…
ポジティブすぎて、なんか…

「ウザいんでしょ?知ってるよ」
「でもほっとけない」

余計なお世話だ。

「ユメミが嫌いなら、早く夢叶えてね」

叶えたら、ユメミちゃんはどうなるの?

「きえちゃうよ」

消えちゃうの?

「ウン。」