私の腕は
どうしてあの日
あなたを抱いて
殺めなかった?


潮の音は風を受けて
走ってたどこまでも
木もれ陽は輪を描き 囁いてた
目を閉じても
広がる未来には
恐れなんかなくて

栗色の瞳の中
写るものは夢ばかり
くちびるのその奥も愛したのに
青い空が
やさしく歌う 午後
永遠などなくて


わたしの腕は
どうしてあの日
あなたを抱いて
殺めなかった?


時に紛れ
消えてく出来事にしたくはなかった

わたしを抱いた
あなたの腕は
今頃 誰を
愛しているの?
これ以上など
ありえないなら
この手であの日
殺めたかった。


この手であの日
あなたを抱いて。




今回は、Coccoさんの「晴れすぎた空」です。
甘い声で
添い寝をして
古い絵本
読みあげてよ
笑わないで
あのお話しの
お姫様は 私なの

明けた空は
優しすぎて
強い風よ どうか動いて


抱いて 壊すように抱いて
息を奪うほど
たとえ守り抜いても ああ
いつか虹は消えてしまうから


切ないのは
幼い手で
握り締めた
お願いごと
届けられた
愛の手紙は
昔話に変わるの?

雪が溶けて
春が咲けば
夏を殺し 秋が生まれた


抱いて 壊すように抱いて
息を奪うほど
たとえ守りぬいても ああ
いつか虹は消えてしまうから


遥か流れていく
白い雲が染まるころ
抱いて 壊すように抱いて
いっそ飛べない鳥だったなら
ママの涙 パパの怒り
そして 覚えていた
血まみれのまま
爛れた羽根を
そっと 消えてしまえばいい


だけど 忘れないで
わたしを 忘れないで





今回は、Coccoさんの「寓話。」です。
ママ譲りの赤毛を2つに束ねて
みつあみ 揺れてた
なぜだったのだろうと
今も想うけれど
まだわからないよ

静かに席を立ってハサミを握りしめて
おさげを切り落とした


それは とても晴れた日で
未来なんて いらないと想ってた
私は無力で
言葉を選べずに
帰り道のにおいだけ
優しかった
生きていける
そんな気がしていた


教室で誰かが笑ってた


それは とても晴れた日で


髪がなくて今度は腕を切ってみた
切れるだけ切った温かさを感じた
血にまみれた腕で踊っていたんだ


あなたが もういなくて
そこには何もなくて
太陽 眩しかった

それは とても晴れた日で
泣くことさえできなくて、あまりにも、
大地は果てしなく全ては美しく
白い服で遠くから行列に並べずに少し歌ってた


きょうみたく雨なら きっと泣けてた


それは とても晴れた日で
未来なんて いらないと想ってた
私は無力で
言葉を選べずに
帰り道のにおいだけ
優しかった
生きていける
そんな気がしていた


教室で誰かが笑っていた


それは とても晴れた日で








今夜は、Coccoさんで「Raining」です。