料理教室&BistrotRIANTのメールマガジンです。
料理人・川名克典の料理セミナーでは伝えきれない
技術の裏に隠されているものを書いています。


それは、料理と人生をおいしくする秘密そのもの・・・。



  朝六時、中目黒三十三度・・・。
  この位だと涼しい。
  汗も流れ落ちることはない。
  Tシャツがちょっと汗ばむくらいで心地よい。


  ゴミ出し、吸い殻拾いを終え、水まきをした。
  と、その間に洗い終わった洗濯物を干す。
  
  洗濯物にまとまりついた洗剤の香りとひんやりする湿っぽさが
  心地よい  


  店の前に出来た、コンビニが開店した。
  入口はりあんからでた目黒学園高校の前の通りだから、騒がし
  さはそんなでもないだろう。
  
  電飾が店頭だけで良かった。
  ぐるりと一周されたらどうしようと思っていた。
  二十四時間不夜城なのだから。


  ご近所はおおむね、安心、便利といった感想が多い。
  中目黒はコンビニが多い。
  ちょっと歩くとすぐにあるけれど・・・。
  実は、この場所は大穴。


  りあんの後ろ側中目黒一丁目は、とても広い住宅地が続く・・・。

  そして当然住宅地だからコンビニ(商業施設)がない。

  それを狙ったというのは、最初のご挨拶の時に会社の方から
  伺ったから、戦略的な出店なのだろう。

  りあんに来られる方は皆一様に「大きなコンビニですね・・・」
  と仰る。


  普通のコンビニの倍以上ある。
  普通がどの程度か定義がある訳じゃないけれど・・・。
  都内でよくあるのは、二十坪程度だろうか?


  ある方は、イートインが出来るのではないのかしらと言った。
  でも、そうではなかった。
  商品がやたらと多いと言うこと。



  中目黒は山手通りの西と東に大手スーパーマーケットがそれ
  ぞれ鎮座している。

  りあんは東側だから東○ストアをどうしても使ってしまう。
  ただ、一昨年くらいからもう一軒のスーパーへも行くようにな
  った・・・。


  砂糖や牛乳が安いのだ。(笑)
  スーパーなんてとタカをくくっていたのが大間違い。
  
  飲食店は卸し業者さんから商品を仕入れる事が多いけれど、
  サラダオイルも砂糖も牛乳もスーパーの特売の方が断然安い。


  開店当初はそんな時間もなく・・・。
  全部発注していたけれど、多少近所を歩き回る時間が出来て、
  値段を目のあたりにしてビックリした・・・。


  勿論、業務用の方が質の良いものも沢山ある。

  例えばラップ、ホイル、オーブンシート類は厚みが違う。
  例えば中性洗剤。香りが無くて粘りが強い。
  例えばアルカリ洗剤、多分何倍も濃い。ただこれらは手が荒
  れる。
  
  後は、余り気にならない程度・・・。
  ただ、発注量が一キロとか、一箱とか、一ダースとか・・・。
  なので、少しだけ欲しいなら使えない。


  そして僕はいつしか、真っ昼間にスーパーマーケットを徘徊す
  る怪しい男になっていった。(笑)



  レジに並ぶと、前後の買い物かごの中が見える。
  別に意識している訳じゃいのに、今夜の晩ご飯が見えたりする。


  お刺身じゃない生魚が多いカゴを見ると「へぇ~」っと感心し
  てしまう。

  カスベ(エイ)なんてあったものなら・・・。
  北海道の人だろうか?とついお顔を拝見してしまう。(笑)

  フレンチの世界でエイは、ちょっとしたステイタスだ。
  昔から焦がしバターにケッパーを入れてソースにしていた。
  
  食べるところはあの大きなヒレで・・・。
  平目の縁側が何十倍にもなった様なモノだ。

  

  殆どの場合クールブイヨンで茹でる。

  クールブイヨンって言うのは、料理教室でやったけれど・・・。
  基本的に魚介類をポッシェする(茹でる)為の短時間で作る
  ブイヨンのこと。

  決して冷たいブイヨンではない。(笑)
  クールはフランス語で「短い」・・・。


  白ワイン(酢を入れる時もある)水、香味野菜、ブーケガルニ
  で作る。


  このソースとつけ合わせに、約三十年前大革命(笑)と言える
  ほど(フレンチ業界で)の斬新なアイディアが生まれた。

  付け合わせを蒸したちりめんキャベツにして・・・。
  ソースをシェリー酒酢で作ったブールブラン※にした。

  

  ※BourreBlanc(sauce)
  エシャロットを微塵切りにして鍋に入れ
  ロワール産の辛口の白ワインを注ぎ、煮詰めたらバターを少し
  ずつ加え混ぜ、液状のマヨネーズのような感じにしたソース。

  天と地がひっくり返るほどセンセーショナルなデビューだった
  らしい。
 
  

  冷凍品それも素材でなくて加工食品が多いと、仕事で忙しいの
  だろうと思う。


  素材の冷凍品が多いなら、「しょっちゅう買い物に行かれないけ
  れど料理は好きよ」って声が聞こえてくる。


  枝豆、いんげん、カボチャ・・・。の冷凍食品。
  その脇に豆腐やあげ、フレッシュパックなんてあると、和食党
  何だなと思う。

  そしてビールに枝豆、いんげんのおひたし、カボチャの甘辛煮
  なんて見えてくる。

  

  こんな風に見ていると、まるで「お題」を与えられたメニュー
  開発なのだ。
  僕なら決して使わないような食材がかごに入っている。(笑)

  味付けメンマに佃煮と・・・。豚レバー・・・。
  コ○・コーラの大きなペットボトルと納豆。
  
  「どうしよう、どうしよう・・・・」(笑)



  無精ひげを生やし、サングラスをかけた怪しい中年男が必死で
  今夜の食卓を想像しているとは・・・。


  誰も知らない。
  


  そしてこの「どうしよう、どうしよう」が五百種類の料理を作
  り続けたのも・・・。


  誰も知らない。(笑)

      


  誰も知らないから、面白い。


  人は皆、人に解って欲しいと願っている。
  この頑張りをこの思いを認めて欲しい。
  このままの自分を受けとめて欲しいと感じている。
  でも、解ってもらえないから苦しむ。
  辛く思ってしまう。



  じゃぁ、もし解ってもらえたなら・・・。

  それと同じくらい「誰も知らない」は嬉しい(笑)

  だから・・・。
  「誰も知らない」快感を今日は・・・。どう?



今日も、新しいインスピレーションを求めて・・・。
引き寄せる一日でありますように。 (^ー^)v


そして・・・

いつも 「ありがとう」

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