手紙 Vol.881
料理教室&BistrotRIANTのメールマガジンです。
料理人・川名克典の料理セミナーでは伝えきれない
技術の裏に隠されているものを書いています。
それは、料理と人生をおいしくする秘密そのもの・・・。
寒い・・・。
もの凄く寒い朝。
部屋の中で暑いくらいと思っていたのに、既に肌に外気の
冷たさを感じた。
裏毛のついたジャケットなのに、冷たすぎる空気は、それ
すらも浸みてくるの?
「あたたかいものを下さい」
そう思った。
あたたかいものを・・・。
チャコールヒーターのオレンジ色の光
使い捨てカイロ
夕べ入った柚子のお風呂
フリースのパーカー
オニオングラタンスープ
蒸し器から出したばかりのあんまん
味噌バターラーメン
鍋焼きうどん
祖母の料理
母の料理
オカメインコ
赤ちゃんの身体
ノートパソコンのキーボード
それから・・・。
コートの内ポケットに入った手紙
深雪は、コートを着て部屋を出た。
エントランスに並んだポストをのぞいたら、青い封筒が一通混
ざっていた。
「来た!」
ちょっと癖のある、この字は彼だ。
ドキドキ、胸が高鳴った。
急がないと、地下鉄に乗り遅れる。
他の郵便物はほっといて、その封筒だけを掴んで玄関を飛びだ
した。
コートの内ポケットにそっとしまった。
「あれっ?」
胸があたたかい
何だろう。
はじめての思いがした。
駅まで走りながら不思議に思っていた。
階段を駆け下りた。
改札を抜けた。
一本やり過ごした。
「次は始発だ」
地下鉄が静かに入ってきた。
扉が開いた。
彼女は乗って直ぐのところへ座った。
コートの内ポケットを触った。
やっぱり温かい。
はっとした。
温かいはずだ。
この胸に入っているのは彼なのだから・・・。
知らなかった。
メールで全て連絡している今だから、今まで解らなかった。
いや、メールで全て連絡している今だからこそ、、感じられた
のかも知れない。
メールには、彼の言葉が並んでいた。
とても優しい言葉が並んでいた。
それを読む度、彼女は幸せを感じた。
少し怖いくらいに・・・。
でも、手紙は・・・。
この彼からの自筆の手紙は、文字でも、言葉でもなかった。
もう、それは彼そのものだった。
寒い日は、コートの内ポケットに彼からの手紙を入れよう。
彼と一緒に歩いている。
深雪はその事を伝えたくて・・・。
まだ手紙を読んでないのに、それだけを書いて送信ボタン
を押した。
「寒い日に手紙が届きますように・・・」
「独りぼっちを感じる日に手紙が届きますように・・・」
深雪は、何百年も昔に生きていた恋人同士に思いを馳せた。
今日も、新しいインスピレーションを求めて・・・。
引き寄せる一日でありますように。 (^ー^)v
そして・・・
いつも 「ありがとう」
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