料理教室&BistrotRIANTのメールマガジンです。
料理人・川名克典の料理セミナーでは伝えきれない
技術の裏に隠されているものを書いています。


それは、料理と人生をおいしくする秘密そのもの・・・。



  二千十年八月の料理教室最終日前日・・・。
  僕の身体にすっかり馴染んだ料理を作るのも一生で今日と

  明日だけ・・・。


  今更だから今月のコースを公開しよう。


  前菜は・・・。
  「冷たいカペリーニ、海老の葛叩きとトマトフォンデュ・・・。
   それからバジルオイル、ジョエル・ロブッション風」
 
  メインは・・・。
  「豚フィレ肉の極上ロティ、エリンギのクールブイヨンと暑い
   夏でもお代わりが欲しくなるクリームソースの秘密・・・」


  デザートは・・・。
  「桃の赤ワイン焼き、誰でもシェフ級の腕に見える方法と主役
   になるほど旨かった蜂蜜のアイスクリーム」


  ・・・・

  勿論、コースのバリエーションとして、ビストロの方で活躍
  することもあるけれど、こんなに同じ料理を集中して作る事
  は、もうない。


  料理教室に十五年も通い続けて下さる方がいらっしゃる理由
  がこの集中にある。
  もし、美味しくないものを作っていれば、皆様更新などして
  下さらない。
  

  僕の使える時間は、限られていているから・・・。
  一番大切なことは「旨い料理」を作ること。
  へなちょこな料理を作っている時間は・・・。


  「ない」


  勿論商売で考えたら、売ること・・・。
  マーケティングが一番なのかも知れないけれど。
  へなちょこなものでも、マーケティングセンスがあれば売れ
  るのだけれども・・・。


  僕はマーケッターではなくて、クリエイターなのだから・・・。
  とにかく旨いものを作り続けなくてはならない。


  さもなくば退会者続出で、料理教室を継続運営するためには
  新しく受講される方を常に集めていなくてはならない。


  でも、その時間が物理的に難しいなら・・・。
  僕の限られた時間を分散出来ないなら・・・。
  仮に分散したとして、それにより僕の力が失われるなら・・・。
  集中しかない。


  以前、友人から言われることがある。

  レストランやって料理教室やってホームページ作ってブログ
  もメルマガも・・・。
  料理写真を撮ってルセット作って・・・。
  仕入れも仕込みも掃除も洗濯もやっている。器用だなぁ・・。
    

  確かに器用な部類に入るかも知れない。


  これは、土建屋稼業時代から既に言われたこと。
  初めて使ったユンボ(パワーシャベル)もすぐに覚えた。
  マンホールの中のモルタル塗りも綺麗に仕上げた。


  料理人になっても、包丁を持ってすぐに言われた。
  和食からフレンチに転向したときは、腕ではなくて、生き方
  が器用だと言われた。


  僕は器用なんだ。
  何でも出来る。

  いつの間にか言い聞かせていた。
  だからつい、脇道で集中してしまう。  


  でも一日は二十四時間しかない。
  寝る時間を削れるときもあるけれど、限界がある。
  今は、四時間睡眠が続けば、黙っていても椅子で寝てるし・・・。
  三時間睡眠になると歯ぐきが腫れる。(笑)


  だから、集中する


  このメルマガは、早朝しか書かない。
  他の時間には、絶対にしないと決めた。

  そして昼間は料理教室に集中する。
  教室のない日は、仕込みに集中する。
  
  メルマガを書くために本を読まないといけないし・・・。
  新しい料理を思いつくために、散歩も必要だ。(笑)
  スーパーをうろついたり、人が買うものをのぞいたり。


  たまには古い料理書を紐解く。
  そして丁寧に読んでいないページをもう一度見直す。

  テレビを見る時間はないから見ない。
  新聞も止めてしまった。


  それでもこうしてネットにつなげれば一日百通以上・・・。
  いやもっと多いだろう、メールが洪水のように流れ込む。


  スパムやDMをさっさと削除しても何通かは読むべきメール
  なのだから・・・。

  TVや新聞より大切なメールも多いから・・・。


  それは講義の質問。
  それは受講日の変更。
  それは料理と全く関係ない質問や希望。
  それはリクエスト・・・。

  それは友人からのメール。
  それはどうしても読み続けたいメルマガ。
  それは僕自身にくる「愛される料理」(笑)


  それでもう十分。


  あとは、料理を考える・・・。
  あとは、料理を作る・・・。

  僕の本分は、料理人なのだから。

  僕が料理人だから、りあんは十五年も通って下さる方がいる。

  料理とルセットと講義に失望したなら・・・。
  料理教室の明日はない。


  どんなに言葉巧みに・・・。
  どんなに特典があっても・・・。
  どんなに割引をしても・・・。

  僕が料理に集中しなければ、料理教室の明日はない。


  十五年間背負っている。
  それは息をするように背負っている。
  それは重いような、軽いような・・・。
  既に僕のからだの一部になってしまっているから・・・。

  

  そして、気がついた。
  僕は集中と継続しか出来ない。

  人が思うより不器用な男だ・・・。
  不器用だからやってこられたのだろう。
  他に出来ようがない。


  「出来ない」・・・。

  それは「集中」と「継続」を育む最高の母親・・・。
  そんな気がする。


  出来ないなら自分の本分に集中すればいい。
  出来ないなら愚直なまでに継続すればいい。

  そうすれば、あれこれ迷っているより、余程・・・。


  自分を見つけることができる。



P.S.メルマガを書き終わって裏山を見上げた・・・。
  今日もまた、もの凄い日差しだ。
  まるで、映画のワンシーンのように蝉の鳴き声が響く。
  こめかみを汗が流れ落ちた。
  

今日も、新しいインスピレーションを求めて・・・。
引き寄せる一日でありますように。 (^ー^)v


そして・・・

いつも 「ありがとう」

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