料理教室&BistrotRIANTのメールマガジンです。
料理人・川名克典の料理セミナーでは伝えきれない
技術の裏に隠されているものを書いています。
それは、料理と人生をおいしくする秘密そのもの・・・。
おはようございます。
想い出深い魚料理に、「舌平目のデュグレレ風」と言う料理が
あります。
道場さんの店を飛びだし、飛び込み営業の様にして連絡先を
置いた元麻布の店の次に勤めた喫茶店の「Bランチ」(笑)
で作りました。
確か、この喫茶店の話はしたようにも覚えてますが・・・。
人生で何度か衝撃的に道が変わってゆくシーンに出くわすと
思います。
ギギギィ~とか、ドドド~とか、それこそ音をたててです。
この喫茶店は、間違いなくそのワンシーンです。
今思うと、奇跡的な喫茶店でした。
A,B,Cのランチがあり。
たらこスパ、明太子スパ、ドリア、海鮮チャーハン・・・。
ピザ、マカロニグラタン、ハンバーグ、カレー・・・・。
チョコレートパフェ・・・。
ケーキセット。
途方もなく忙しい店でした。
パフェやアイスココアなどは、学生のバイトが二人で作って
ました。
ランチは、四、五名のコックが作ってました。
そのうちの一人に僕は、ひょんなことから入ってしまったの
です。
はっきり言って、軽く見てました。
喫茶店のランチなんか・・・。
道場さんの店で二年。元麻布のフレンチで一年。
そこそこ、技術に自信を持ち始めていましたから・・・・。
ところが厨房に入って、ランチを見て愕然としました。
サブタイトルにフランス語が・・・・。
壁に貼ってあるルセットは、フランス語でした。
元麻布のフレンチに一年と言っても、フランス語に慣れる間
もなく、シェフは止めてしまい残された僕一人でテキストと
した「小野正吉のフランス料理」と言う本と格闘したに過ぎ
ません。
「川名君、これで行くよ」と今日のランチを書いたメモを
渡されても・・・・・。
何もできません。
汗。
戸惑い。
恐怖。
すぐに僕のフランス料理についての経験の無さなど解ってし
まい、その度に「こんな事も知らないのか?」と言われ・・。
呆れ返られる日々が続いたのです。
僕にとっては、屈辱的な日々だったのですが、当然の日々でも
ありましたから、その後の説明を一つももらさぬ様に聞きまし
た。
毎日の通勤電車の中で料理のフランス語と言う辞書を読み始め
ました。
ポアレ、ヴァプール、エチュベ、ブレゼ・・・・・。
ブールブラン・サバイヨン・オランデーズ・ベアルネーズ・・。
ブルー・セニャン・アポアン・ビアンキュイ・・・・。
一つずつ、キッチンで使われているフランス語を理解し始め
ました。
キッチンでフランス語が使われていた理由は・・・・。
三人も、「フランス帰り」がいたのです。
そのうち一人は、三ツ星ばかり何軒も歩き回り・・・・。
一人は、フレンチで飽きたらずイタリアまで行った強者でした。
彼は、皆にチーフと呼ばれてました。
チーフは二、三日で僕の能力を完全に理解しました。
そして僕に、フランス料理のフランス語を学ぶ必要性を、
(口は悪かったですが)(笑)教えてくれました。
更に、何故か殆ど仕事のできない僕をピアノ(ガス台)の
前に立たせ、(両サイドにいるフランス帰りが冷やかす中)
次から次へとオーダーを通すのです。
戸惑い焦る僕の横で、シャンソンを口ずさみながら
一つまた一つ料理を仕上げます。
フランス料理の魔法を見たのです。
本で見た料理が今目の前にあります。
彼は、ある分厚いフランス料理の本にある料理を・・・。
ランチに組み込みました。
本人曰く、「日替わりを考えるのが面倒だった」ですが・・。
僕の為に、そうしてくれた様に思えてなりませんでした。
毎日、一つずつテキストの料理が作られて行く様を肌で感じ
ました。
どんなにか、今の僕が作られる日々だった事でしょう。
一年に満たない間でしたが・・・・。
そこで、出会ったのが「デュグレレ」と言う言葉でした。
DUGLELE フランスの料理人。1805~1884
フランスのすぐれた料理長カレームの弟子として修行し
ロッチルド家の料理長となった。
1866年以降は巴里のCAFEANGLAIS(キャフェアングレ)の
料理長となる。(フランス料理仏和辞典=イトー三洋株式会社)
彼は「かわな~。これはさ~」と言いながら・・・。
こんな風に、作るんだと見せてくれました。
小鍋にとても入らない、クマのような大きな丸い手で・・・。
「すでに知っているのに、知っていることに気づいて
いない何かがある。
知っているのに、知っていることに気がついてなかった
ものが何であるかを悟った瞬間。
人は、動き出せるのだ」
=ミルトン・H・エリクソン=
今日も、新しいインスピレーションを
迎える、そして、迎えにゆく
1日でありますように。 (^ー^)v
そして・・・
いつも 「ありがとう」
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