料理教室&BistrotRIANTのメールマガジンです。
料理人・川名克典の料理セミナーでは伝えきれない
技術の裏に隠されているものを書いています。


それは、料理と人生をおいしくする秘密そのもの・・・。



  おはようございます。


  夕べの空気は、ずいぶんと涼しかったです。
  湿度があるせいか、部屋の中は蒸し暑い様でしたが・・・・。


  昨日、「テリーヌ」と「パテ」の違いのお話をしました。
  今日は、「ババロア」と「ムース」の違いを・・・・・。


  ババロアは、アングレーズソース(カスタードソース)、
  または果物のピュレにゼラチンを加えて、その同量か
  倍量(基本的に)のホイップクリームを混ぜ合わせ型に
  入れて冷やし固めたものです。


  だから、本来はデザートなわけです。


  今の料理人は多様な解釈をするので、例えば・・・・・。
  アスパラガスのババロアとか、オマールのババロアとか・・。
  も当然出来ます。



  一方「ムース」ですが、この言葉は「泡」を意味するの
  で、「泡」が入ったもの、または「泡」そのものであれば、
  何を「ムース」と言っても差し支えないでしょう。


  それで「ババロア」をふと振り返ると、ホイップクリーム
  という泡が入っているのです。


  考え方によっては「ムース」と言って問題なさそうです。


  他にも、ソースに泡を入れることもあります。
  クリームを注ぐときに、ホイップしたクリームを入れたり、
  バーミックスで攪拌して泡を沢山封じ込める事もあります。


  日本人は、日本の文化の中でこれを最高に昇華した状態で
  知っていました。


  お茶の文化です。


  綺麗な泡を封じ込めるために、よい茶筅を選びます。
  手首の返しとか、丁寧に学びます。


  フランス料理をはじめたばかりの頃、この茶筅で白バター
  ソース(ソース・ブールブラン)を作っている料理人に
  出会ったことがあります。


  和食の世界から移ったばかりで、馴染みのない言葉や作業
  のまっただ中、彼の作ったソースに僕は居場所を見つけた
  様に思いました。  
  
  泡の文化はとても深く、面白いものです。
  

  パリのあるアラブ料理店で食事をしたとき・・・・・。
  殆どの場合食後はエスプレッソかミントティーですが・・。
  僕はミントティーをいつも取ります。


  アラジンの魔法のランプの様なポットに甘くまったりとし
  た香りのよいミントティーが入っています。


  小さなステンレスのフレームの付いたグラスに注がれます。
  その時、ギャルソンは魔法のランプを低い位置から、自ら
  の頭の上、腕が持ち上がる限りの高い位置まで移動させ注
  ぎます。


  まぁ、大袈裟なプレゼンテーションとばかり思っていたの
  ですが、その時何故か僕は「何故そうするの?」と聞いて
  みました。


  彼は、「見てごらん」と、小さなグラスを指さしました。
  
  そして、一言「ムース」と・・・・・。


  ミントティーの表面に、気泡がたってました。
  日本のお抹茶程、細かく綺麗な気泡では勿論ありませんが。
 
  そして、この泡が入るとお茶が美味しくなるんだと教えて
  くれました。


  全く同じ意味で泡を作っているのです。
  僕は、こんなに文化の違う世界にもかかわらず、同じく泡
  に心血を注ぐことに驚きました。


  ビール好きの方なら、もう考えていることでしょう。
  ビールも泡が命だよ。と・・・・・。
  

  ちょっと話が横道にそれましたが・・・・。

  ムースは軽いと言うイメージがありますから、ホイップした
  クリームやメレンゲがたっぷり入ったババロアをムースと思
  って差し支えないでしょう。


  僕の場合、ホイップクリームだけを入れたものはババロア。
  更にメレンゲを入れたもの、若しくはメレンゲだけで作った
  ものをムースと名付けることが多いです。


  後、イメージとしてクラシックを感じるもの、感じて欲しい
  時には、ババロアという言葉を使うことが多いです。

  そして「ムース」は濁音がないので、繊細でモダンな響きに
  聞こえ・・・・。

  日本人のムース好きは日本人が持っている感性に丁度合うの
  だろうと思います。


  同じ泡でも「バブル」は・・・・・・。(笑)



   「薔薇ノ木ニ 薔薇ノ花咲ク 何事ノ不思議ナケレド」
           =北原白秋=

  


今日も、新しいインスピレーションを
迎える、そして、迎えにゆく
1日でありますように。 (^ー^)v

そして・・・

いつも 「ありがとう」


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