政府自民党は、緊急事態条項を、憲法改正の最初の項目にしようとしています。
総理大臣補佐官の礒崎氏が旗振り役です。
この磯崎氏、
「法的安定性は関係ない」と、安保法制を成立させるためなら、憲法を軽視しても構わないとも取れる発言をした人物です。
出典:blog.goo.ne.jp
「緊急事態条項」とは、武力攻撃や大規模な災害が起きたとき、総理大臣が緊急事態を宣言して、国民の人権や財産権の一部を制限できるようにし、総理大臣に権限を集中させるというものです。
安倍総理は、「国民の安全を守るために必要」と、衆院予算委員会で述べました。
これを受けて、毎日新聞が連休中にアンケートを行いました。
東日本大震災で被災した、岩手、宮城、福島の3県の市町村に、
「災害時の初動対応に、緊急事態条項は必要だと思いますか?」
と聞いたところ、回答した37の市町村のうち、どのくらいが「はい」
と答えたでしょう?
当時、被災地の最前線で活動していたので、何が必要だったかを最もよく知る人たちです。
「必要だ」と答えたのは、わずか一つ。
36自治体が「必要なし」と回答しました。
仙台市は、
「必要ない。そんなものより、現場で何が必要かを見極め、すばやく予算執行できるよう中央から地方へ権限を委譲してもらいたい」と答え、
福島県川内村では、
「緊急事態条項などむしろ害悪」
と答えています。
安倍政権にとっては、予想外の結果となりました。
現場を全く知らない頭でっかちな官僚と、一般国民感情と激しくかい離した世襲議員たちが結託して目論んだ緊急事態条項への評価がこれです。
「迅速な震災対応が必要だから」と、いかにも被災地にとって緊急事態条項が必要であるかのように嘘を付き、本当は、憲法改正への突破口として、国民が納得しやすそうだから選んだに過ぎないこの条項。
現場で活動していた人たちには、そんな誤魔化しは通用しないということが明らかになりました。
嘘と言えば、安倍さんのブレーンである日本大学教授の百地章氏が、自身が監修した本の中で、また子ども向け、女性に向けて作成したパンフレットで次のように記した一文があります。
出典:www.sankei.com
「東日本大震災の時、被災地では救急車などの緊急車両でさえガソリンが足りなくなり、本来なら救急車で運ばれて助かったかもしれない多くの命が亡くなりました。」
出典:www.amazon.co.jp
ところが、TBSテレビが先日の「報道特集」で被災3県(岩手、宮城、福島)の全消防本部に問い合わせしたところ、36ある消防本部でガソリンが足りなくなったところは一つもなかったことが判明しました。
何とかやり繰りして乗り切ったそうです。
「救急車のガソリンが足りず、多くの人が亡くなった」
というのは、百地氏が創作した「嘘」だったわけです。
ところで、この百地氏、大多数の憲法学者が安保法制を違憲、または違憲の疑いがあるとした中、これを「合憲」だとする数少ない憲法学者の一人です。
百田氏が少数派だからと言って、彼の意見が間違っていることにはなりません。
百田氏の主張にも耳を傾け議論を深める必要があります。
しかし、でっち上げや嘘は止めて頂かないと、議論そのものが成立しません。
本気で憲法改正が必要だと思っているなら、その理由を明らかにすべきで、でっち上げた嘘を論拠にされても説得力ゼロです。
というか、嘘を付いてまで世論を誘導しようとするなど、学者の風上にも置けない人と評価されても仕方ないでしょう。
僕は自民党の憲法草案になど絶対に賛同できません。
しかも、何を変えるかより「憲法を改正した」という事実が欲しいだけの安倍さんの野望実現のための改正など、断じて受け入れるわけにはいかないと思っています。
ちなみに、以前も書きましたが、僕は条件付きで、憲法は変えるべきだと思っています。




