【異動話】
去年の夏、すぎなくんと最初に出会ったときからずっと聞いていた事があります。
春が過ぎる頃に同期全員が人事異動になるらしく、転勤の可能性もある事を。すぎなくんによると、どこに異動になるかは全く予想が出来ないという事で、赴任地や職種も変わるとか、いろんな可能性の話をしていました。
まだまだ先の話と思っていたら、時は過ぎてついにその時期が来ました。◎月⚪︎日にメールで連絡が来る、という事を聞いていました。
言わずもがな本人が1番ドキドキしていますが、私にも緊張感はあったのです。結果はどうあれ、自分にはどうしようも無い事ですが。
もし、彼が遠方への配属に決まったら、例えば関西等、物理的に遠く離れてしまえば、残念だけどもう二度と会う事も無くなるんだろうな、と思っていました。すぎなくんの年齢的にも、仕事の環境が変わればそれに染まっていく。それに、きっとそれほど私達は真剣に恋愛をしてるわけじゃない、彼はまた女性が欲しくなったら、次に誰かを探すだろうし。出会いもあるだろうし、それがごく自然な流れだと思うから。
寂しいとか、そんなんじゃなくて、そもそもの関係がきっと繋がりが薄いのだから、仕方が無いんだと、結果を知る前から、いろいろ心境の準備や納得する方法まで模索していた私でした。
【異動発表日がついに来て】
そして、そのタイミングの日は、自分の事ではないのに朝からずっと緊張していました。
あまりLINEはマメではないすぎなくんだけど、異動先が決まったと、その日はもしや連絡
が来ていないかと、仕事中も気になり、携帯📱をしばしば覗きにトイレに立ったりしていました。けれど結局その日には連絡は来ませんでした。
その時私は、自分は彼にとって何なんだろうな…という事をあらためて考えてしまいました。
あれだけずっと大騒ぎし、いざとなったら結果をなかなか知らせないなんて。
肩透かしな感じもありました。
逆に私はいろいろいらぬ心配もしていました。
希望と全く違う赴任先になってしまって、連絡する気もないくらいに落ち込んでいるのだろうか、とか、あるいは転勤が決まり、連絡なしにこれを機に私とはもう関わるつもりがなく、そういう意味で突然関係を絶つのだろうか、とか…。もっとも嫌な予想までしていました。
【転勤なし】
翌日、待ちくたびれて、私から再度、"短く"連絡してみました。すると半日後くらいに、遅くなり心配かけてごめんなさいと、返信がありました。
何とあれだけ最悪の予想をしたりしましたが、勤務地は変わらずということでした。でも部署だけ異動になり仕事も少し変わるという事でした。ある意味遠方へ行かれるより結果的には安心な結果ではありました。
それならそうと連絡くれてもな…と心から思いましたが、本人にとっては部署が変わるというのは不安でしょうし、情報が入って来たり、精神的にバタバタしてなかなか連絡出来ない心境だったのかもしれない。
そんな風に思うようにし、私自身を落ちつかせたのです。
【今後の距離感】
すぎなくんはまだまだ自分自身の事で精一杯。歳の離れた女友達に、気持ちを寄せるのは至難の業でしょう。
私も、これ以上は彼の人生には踏み込まず、追いかけず、そっとしておくようにするのが良いかもしれない。
彼は引き継ぎで大変という事で、しばらく会えなそうな様子ですが、それだけではない可能性もあります。
ただでさえ休みの日が違うし。このまま離れるつもりはお互いにたぶん無いけれど、今回私は実感として、感じるところがいろいろありました。
本当は最初から彼には惹かれる部分は正直少なかった。ただ、若い男子にとって、憧れのほわっとしたあったかい年上の自分で居たかっただけなのかもしれない。女として虚勢を張りたかったのかもしれない。
すぎなくんとはカラオケにまた行きたいし、くだらない会話やじゃれあいたい気持ちもあります。
でもこれからの期待はしてはいけない。期待だけはしてはいけない。
私はやはりSくんに…。
↓セカンドハウスからの夕焼け