浅野いにおの世界 | .

浅野いにおの世界

「おやすみプンプン」。
少し前に久しぶりに書店のマンガコーナーに立ち寄った際に
このタイトルが目に飛び込んできました。

帯に書かれた各方面からの絶賛のコメント。
なんとなく気になって
久しぶりにマンガでも読んでみようかと店頭を探してみたのですが
何故か最新刊の2巻しかなく、1巻は在庫切れとのことでした。

その時はそのまま店を後にしたのですが、
その後も気になり、何度かいくつかの書店で探してみた所
やはり2巻しかない…どうやら相当人気の作品の様なんですね。

不思議と手に入らないものほど読んでみたくなるもので
とりあえずこの作家の世界を知るべく、他の作品を購入してみました。

「浅野いにお」なる作家さん。
2001年にデビューしているようなのですが
小さな頃こそ良く読んだものの、最近はマンガをあまり読まない僕は
失礼ながら存じ上げなかったのです。

帯に書いてある「映画化決定」の文字にひかれ
とりあえず「ソラニン」というタイトルの1巻を購入。

その世界観にハマってしまいました。
やられました。
凄いスピードで読み終えた後、即2巻も購入して完読。

どちらかというと年を重ねて来た今の僕には遠い昔の
無気力で、でも一生懸命に自分の将来を模索して葛藤している
悩み多き世代の若者達の話。

一組のカップルを中心としながら、その周りの仲間達との日々が
淡々と、しかも繊細に描かれています。

ストーリーの中の間が何とも言えず良い。
そして巧みな描写力とひとつひとつの言葉達。

まだ不安定で、確かなものを掴めずに揺れ動いている
心理描写が最高に上手いのです。

いわゆるマンガというよりも1篇の小説を読んでいるかのよう。

僕はこんな甘酸っぱい青春時代も過ごしていないし、
ましてやこんなに悩んでもいなかったし、こんな風に分かり合える
仲間達もいなかったのだけれど、非常に共感し、
世界に引き込まれてしまったのです。

改めて考えてみれば、マンガ家さんというのは
オールマイティプレーヤーですよね。

映画で言うなら企画も監督も脚本も撮影も美術も演出も、さらに演技も
一人で(アシスタントの方はいるでしょうが)しているようなものです。

僕が小さな頃に読んでいた頃とは又別の次元に
今のマンガは来ている様な気がします。

2巻と同時に購入した「ひかりのまち」という作品が
これまた良くて、「浅野いにお」の世界に惚れ込んでしまっている僕です。

こうなるとますます「おやすみプンプン」を読みたくなってしまう!

この週末にでも他の書店を探してみようかと思います。

グラフィックデザインとマンガ、少し業種は違うにせよ、
クリエーターとしては嫉妬するほどの才能だと感じました。

「マンガなんて子供の読むもの」なんて思っている方、
最近のマンガはなかなかどうして、侮れませんよ。