この2日間、数百人という方々が
我が家を訪れてくださった後、
ふと18年ほど前のことを思い出しました。
あの頃はまだ「町家」という言葉も概念も
さほど世間に浸透しておらず、
こんなどこにでも建ってそうな
古い家など見向きもされない、
そんな時代でした。
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初めて私の思いに共感してくださる方に出会った時、
嬉しくてありがたくて、
それまでの私の不安や迷いを全て吹き飛ばしてくれるようで、
思わず涙がこぼれました。
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今回、お配りしたパンフレットにも書いたのですが、
普通の人の普通の生活において
「そこで脈々と続いてきた暮らしに宿る精神や知恵こそ、
京都の文化の真の姿であり、
町の未来を担うひとかけらの希望ではないか」と、
18年前の私はそう思ったのです。
ですから私が何よりも大切に感じているのは、
ここが昔から今まで、
ごく普通の人の生活の場であったことなのです。
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今、ここに、何らかの共通の思いを持った人たちがこうして集ってくださること。
その大き過ぎる意味を、
この素晴らしい変化を前にして、
私たちは胸が一杯になりました。
本当に感謝ばかりです。
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そしてこの視点と確信をもたらしたものが、
私にとっては他ならぬ「旅」であります。
旅は京都生まれ京都育ちの私の目に、
外からの視点を授けてくれます。
だから私は旅をしたい。
旅こそが、私の中にある京都の姿を鮮明にするのです。
私に京都を見せてくれるのです。
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そんなことを、これから何らかの形でお伝えしていければいいなと思っています。
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