Booちゃんの手術が終わった。

ICUに入ったBooちゃん。
人工呼吸器やチューブ、首から入れられていた点滴、心電図…
小さいBooちゃんの身体は、機械や管で埋もれていた。

手術前に、きれいなバスタオルを用意するように言われていた。
私は鮮やかなグリーンのタオルを買った。
Booちゃんはそのタオルの上に寝ていた。
あまり外に出たことのないBooちゃんが、行ったことのない草原に寝そべっているようだった。

その夜、ICUの待合室で仮眠をとった。
もしもの時、同じ血液型の父親の血が必要になると言われた。

不安時間を過ごした。

Booちゃんは心配をよそに、術後安定していた。

Booちゃんは勝った。

同じ心臓病の子がICUから戻らない…といった状況から、Booちゃんは小児病棟に戻ることができた。





これから、好きなだけ飲めるよ。

これから、泣いてもいいんだよ。

これから、お外に出てもいいんだよ。

大きな傷は残ったけれど、引き換えにもらったものは大きいよ。


生きていてくれればいい。


あなたが背負った運命を私は一緒に生きていくから。
生きて戻ってくれて、ありがとう。




手術の時、小児科から循環器外科に移っていた。
ICUから出たとき、最初に私にかけよってくれたのは、小児科の主治医だった。
『スゴいよ、この子はよく頑張った!この子は強いよ!』

そう…
Booちゃん。あなたはスゴいんだよ。