『遺体は確認しました』
パトカーのトランクを開けて現場検証に向かう準備をしながら、警官が報告していた
諸事情により、現場検証中のパトカーは我が家の敷地内に駐車
パトカーがいる緊張に加えて遺体の状態、臭い、遺体周辺の状況等々、現場の凄惨さを想像して吐き気がした
現場検証を終えて帰るというご挨拶と駐車のお礼を受けたのは約2時間後
検死するのか遺体は警察が引き取ったらしい
一人娘は嫁ぎ、妻は娘が嫁いだ地域の施設へ入所、ひとり暮らしの男性が誰にも知られず亡くなっていた
家の前は草が伸び放題荒れ放題で、人や車などが出入りした形跡はなかったらしい
元々近所付き合いはなかったけれど、奥の隣家では姿を全然見なくなったと話していたらしい
7月上旬頃には連絡がとれなくなっていたらしいけれど、その頃の生死を知る人はいない
数年前、私の遠縁の親戚も同様の最期を遂げた
ひとり暮らしで、年齢的なこともあって心配する言葉をかけると『自分で穴掘って入るから大丈夫』なんてばかり言う人だった
認知症になり、近い親戚が施設に入れようとしたがうまくいかず
訪問した時には一部白骨化した状態で、餓死だろうと診断されたらしい
近所には高齢者のひとり暮らしが何軒かある
なんなら先日の件の手前の隣家もひとり暮らしだし、我が家の隣家もひとり暮らし
他人の心配をするのはいいけれど、我が身にも起こり得るのではないかと頭をかすめた
私もそうなるのかなって
年齢なんて関係ない
身近な問題として考えるべきなのかもしれない
なんかね、孤独死にしろ孤立死にしろ、そうさせてしまったんじゃないかって思ったりするの
周囲との付き合いがなかったとしても、せめて発見の遅れを防ぐことはできたんじゃないかと思ったりして
自分は独身だから孤独死するって悲観する人がいるけど、そうとは限らないと思うの
既婚であったり身内親戚親族がいたとしても、だから大丈夫って保証はないとも思うの
『死んだ後のことなんてどうでもいい』って吐き捨てた友人がいたけれど、無事に旅立つことの有り難さを考えると、私はどうでもいいなんて思えない
簡単に知らない誰かとでも繋がりやすそうな現代だけど、孤独も孤立もすぐそばにある
だとしたら、どう生きるか
生きるって、一生ものの課題なのかもしれない
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byり
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★参考：
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