何かを提出するという目的を達成したことを、よし、とすることにする。
Ⅰオクターブは12の半音を含むのだけれど、頭を悩ませたのが、
12音の順番を自分で決めて、順番に使ってジャズの曲を書くと言う課題だった。
先生の昔の生徒の、映画につけた12音技法の音楽を聞かせてもらった。
素晴らしいと思ったが、もっと身近にあることで、
その課題をすることが日々のジャズ生活に役に立つかもしれないものという
視点で見て、12音をいつも同じ順番で使ってソロはできるかという
挑戦をしてみた。取り出した音列が、前衛的な感じがしたので
コンピングはできるだけ不協和音が使われていたりするボイシングを入れた。
課題が出た翌週はメロディだけ書いていったが、もちろんこれだけでは何のことか
先生もわからない。わたしは自分でピアノを弾きながら音を確認したので
なかなか気に入ったのができたのだが伝わらない。
先生がシベリウスにこういう風にコードを入れていくだけで、
聞こえやすくなるよとアドバイスしてくれた。
わたしは枯れ葉のコードを使って、12音技法でソロを書くという事に
したのだった。次の週には、人がきいてわかるようにするには、ベースと
トップでメロディを吹くサックスに第一週目にピアノで考えたアイデアを
ふって、資料を参考にピアノのコンピングを書いた。
この経験から、ソロを考えるという事を別の視点から見ることができた。
わたしのアンサンブルのグループのよくソロができる若者たちは
みんなコードに関連するスケールを熟知しているように見える。
ジャズを始める時の、つまずきやすいこのコードに関連するスケールの練習。
わたしは、思いっきりつまずいた。
i realの存在を知らない時に、この練習をするように言われて
やろうとしたが、退屈極まりなく、コードを覚えないでやっていたので、
変な音がなることがあったし、その時はめげた。ちなみに、一年目にやったその練習は
こんなソロとる人は誰もいないと、コードを覚えていないうえに
さっさとやめて、というか、将来に練習しようと後回しにした。
はっきり言おう、使えないからとやめたのだった。
この、今は大事な練習だと自覚しているが、当時は、めんどくさいこと
この上ないと思ったこの練習が、12音技法でソロを書いてみて初めて、
自分が思っていたほど小難しいことではない、と思えた。
なぜなら、コードに関連したスケールを使うだけで、
「最大公約数」と言う算数の時間に習った言葉が出てきたのだが、
他の人と一緒に、即興的な音楽をしている時、調和した響きがするのだ。
コードに関連したスケールを使うだけで、である。
12音をセリにした時のように、この音の時には、このテンションは使えないとか、
いちいち見ていかなくてもいいと言う意味での、わたしのイメージでの
「最大公約数」なのだ。
この作曲の先生は、すごく褒めてくれて、サックス奏者スティーブ・コールマンを
彷彿とさせると言った。実験的・音の響きで攻撃的なところがあるからだろう。
彼は言った。
「一つの課題をしたら、それでおしまい、ではないんだよ。
そこから何ができるか考えてごらん。」
わたしは言葉に詰まった。
たとえば、構成のこと、とうまく引き出してくれたので
わたしは、interludeを続けることができると答えた。
先生は、言った。
「interludeも書けるけれど、2小節4小節、または6小節を
延長することができる。」
という事で、また課題ができた。12音技法で考えると言うのは
すごくいい経験だと思う。でも、頭がすっごく疲れた。