旅行の2日目 オルザルテのつり橋その2 | 音楽すること・生きること

音楽すること・生きること

フランスに住んでいます。結婚、出産、国を超えての度重なる引っ越しを経てフランスに在住、長男が小学校5年生の時から仕事を
再開。その1年後にジャズピアノを始めました。
音楽・その他、日々の出来事を綴っています。

はじめは夫と次男と3人で歩いていた。
渓流の音を録音した。

 

夫がわたしと次男に登山靴を履いていくように言ったので、

わたしは重い登山靴をはいていた。夫は

わたしには夫が数年前に買ってきたウォーキング用の杖も

持っていくようにアドバイスした。

この写真は登山道の初めの方。

途中から白いゴロゴロした岩の上を歩いたりする。

 

写真を大きくしたので見えるだろうか、
一番下のpasserelle d'Holzarteは
日本語では パスrエル ドオルザルテという
発音に近い。オルザルテのつり橋と訳されていいる。
 
次男と夫は写真をたくさん撮っていたようで、
わたしが先頭を歩き、時々、二人はわたしのところに
様子を見に来ては、写真を撮っていたので後から来た。
わたしが一番先にオルザルテのつり橋についた。
わたしが自撮りした写真はわたしが写っているので
控えさせていただくことにする。リアルに会うことができる
方がいらっしゃるかもしれないので、それはその時の
お楽しみという事にしよう。
ネットで写真を探してみた。こんなところだ。
なっているが、ここに到着したのは、出発地点から
2時間かかっていた。午後9時に着いた。わたしたち以外は
みんな下山していた。
一人でつり橋に着いたわたしは、満足気に写真を撮った。
このつり橋には50人以上一度に乗ってはいけないと
書いてあるのが目に入った。
人がいっぱいいるお昼時ではない。
ましてや夫も次男も まだ来ていない時に、
一人でつり橋を渡っていて事故があったら目撃者も
いないではないか。小さい時には高所恐怖症ではなかったが、
このつり橋まで来て、あらたに自分は
高所恐怖症だと気がついた。
それに、来るのに2時間かかった岩がごろごろしている
登山道を2時間かけたら、真っ暗になって
下りるに下りられないのではないかと言う未来図が
予想でき、ちょっとそこまでのつもりでサングラスしか
持ってきていなかったので、遠くが見える近視のメガネが
なかった。速攻で山を下りたかった。わたしの後に
まず先に次男が到着し、夫が到着した。
二人はつり橋を渡らないのかとわたしに聞いたが、
わたしは先に下り始めると言った。
あなたは降りるのが遅いし、先に降り始めた方がいいね、
ぼくたちは後から追いつくし。
夫は言った。
二人とも、風景の写真を撮るのが気に入っている。
後から聞くと、高い橋の上から写真をたくさん
撮ってい来たらしい。
 
さて、最悪なことに、わたしが予想した通り、
日が暮れてきて、サングラスをかけていると、
真っ暗で何も見えなくなった。
それでサングラスを外して歩いた。はじめは薄暗かった
ぐらいが、本当に真っ暗になり、
わたしは、追いついてきた夫に不平不満をぶちまけた。
一体どういう計画を立てているんだ。
こんな真っ暗なところを下りて行かなければいけない、等々。
夫は黙っていた。
18歳の次男が携帯で
強力なランプをつけ、わたしの足元を照らし、
わたしに、もう、不服を言うのはそれくらいにして、
集中しておりるんだよ、と言い、自分は
後ろ向きで岩がごろごろしている写真のような道を下り、
わたしに、一歩一歩、
ここに右足を置いて、こっちに左足、と導いてくれ、
段差があまりに大きいところは、僕につかまってと
わたしの体を支えてくれ、
もっとママの体重をかけても大丈夫。
ぼくはママを抱きかかえることだってできると思うよと、
いうので、
いや、お母さん、重いから、できるだけ
負担かけたくないねん、と言う親子の会話。
夫も黙って、わたしの後ろから携帯でできるだけ足元を
照らしてくれていた。
次男は、何度も何度も、わたしを抱きかかえるようにして、
段差の高いところを安全に下りることができるように
注意深く手助けしてくれた。
 
わたしの登山靴は、付き合っていた当時の夫に
30年くらい前に付き添ってもらって買った、
本格派過ぎる登山靴で、歩くのが拷問。足先はしっかり
守られるが、重くてガッコンガッコンと歩く感じだ。
真っ暗な中、下山しなければならないと思うと
絶望した。もう、精神的に動けなくなりそうな
状態のところをただ、次男の指示に従って、
一歩一歩下りていく、ただそれだけだった。
自分がこんな真っ暗な中、岩がごろごろした、
片側が落ちたらはるか下の渓流という道を、
歩いている自覚はあった。そんな時、次男が言った。
あ、僕の登山靴のソールがはがれた。パパ・・。
夫が、はがれたソールを受け取った。
次男がおかしそうに反対側も取れたと言って、夫に渡した。
次男が、靴底には何か薄い生地だけが残っていて
体育館シューズみたいになっていると言ってくすっと笑った。
わたしは、それが心配だったが、次男が、何のことはないと
楽しそうに言うので、なんだかわたしも愉快になってきた。
途中で、左後ろからわたしの足元を照らしてくれていた夫が
ずるっと崖の方に足を滑らせて、バランスを崩した。
次男が注意した。
パパ、左後ろからママを照らさなくていいから。
崖から落ちちゃうよ。
ぼくがママの足元を照らしているから大丈夫。
そんな珍道中も、ありがたいことに終わりをつげ、
下山することができた。
レストランはどうするの!?
次男が、もう遅いから、レストランには行けないよ。
夫がレンズマメのサラダそして
インスタントラーメンを食べようと言う。
わたしはインスタントラーメンは食べないと答えた。
もとから、あまり食べないが、
前回の血液検査で脂質が高かったので、
気をつけているという事は夫も知っている。
そういう事でわたしはその夜は前菜のレンズマメと
缶詰のツナのサラダだけにした。
わたしからバスク地方の料理を食べようと前もって
言っていたのに残念だった。
結局、男性陣は写真を撮りまくっていたのもあり、
オルザルテのつり橋まで、行きは2時間かかり、
帰りはわたしが、登山靴で苦労したのと
日ごろの運動不足で歩きなれていなくて1時間半かかった。
爆睡したことは言うまでもない。
いざと言う時に頼りになる次男の言葉がけ、
体当たりのケアが今思うとすばらしい。