ピラ砂丘 | 音楽すること・生きること

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フランスに住んでいます。結婚、出産、国を超えての度重なる引っ越しを経てフランスに在住、長男が小学校5年生の時から仕事を
再開。その1年後にジャズピアノを始めました。
音楽・その他、日々の出来事を綴っています。

先日、旅行から帰ってきた。

 

第一日は

ボルドーに宿をとった。

砂丘に行く前に、レストランで夕食をとった。

そこのパスタのサーモンの燻製には

舌鼓をうった。

 

夜、眠れるように、カフェイン抜きのコーヒーを、

頼んだ。これも、本当に美味しかった。

 

夫の運転でピラ砂丘へ。

サイトで探した。こんなところだ。

https://jp.bordeaux-tourisme.com/horutonojinkujiantaosenainoka/hirashaqiu

 

メインの駐車場が満車で、道なりにクルマで進むと、

かなり離れたところに停められるスペースがあった。

空の色が特別だったので撮影。

 

ひたすらメインの入り口まで車道に沿って歩いていくのかと

思った。上記のサイトによると、メインの入り口には、

上るのが大変すぎないように階段があったに違いない。

でも、わたしたちは途中で、上のサイトに書かれている入り口、

『森林側の急な斜面』と、書かれているところから上ることになった。

その時は、ここが、急斜面であるとは知らなかった。

下りてくる人が、わたしを見るとアドバイスしてくれた。

 

「四つん這いで上ったほうが速いですよ。それから人が通って

いないところを通ったほうが前に進みやすいですよ。

人が通ったところは、砂が崩れているけど、

人が通っていないところの方が砂が

固まっているから歩きやすい。」

 

わたしは、普段、運動らしい運動をしていない。

夫と次男は、どんどん進んでいく。次男は見えなくなり、

夫は、時々、わたしを振り返り、声をかけた。

急な斜面に一歩足を踏み込むと、ずり下がり、

別の足で一歩進むも、ずるずるっと砂と一緒に下に滑り、

多少は進んでいるみたいだが、もっと先に進みたいので

言われたように、四つん這いにかえて、上って行った。

結構な高さがあるので、こんなところから転がり落ちたら

いけないと思い、緊張した。

自然と片手をガシッと砂に埋め込み、

片足を一歩踏み出し、と言う動作を繰り返しながら上って行った。

心臓がバクバクし、長袖のGジャンを着ていたと思うが、

腕から、汗がジュワッと噴き出すのが感じられた。

歩数を数えながら上り、途中で立ち上がって息を整える、を繰り返した。

下りてきたカップルに、

 

「まだ頂上は遠いですか?」

 

と、尋ねた。

 

「頂上までは、まだ距離があるけれど、

一番上からは景色がとってもきれいです。

四つん這いで行くといいですよ。他の人が通って

いない場所を選んで上ってください。他の人が

通ったところは砂が崩れて滑りやすくなっているから。

頑張って!マイ・ペースで上ってくださいね。」

 

グレイヘアのわたしを見ると、優しい言葉をかけてくれるのだろうと思った。

でも、この急斜面での砂丘上りは、わたしには本当にハードで、

心臓麻痺を起こしてはいけないから、

休憩をとりながらと、自分で言い聞かせながら、

休んでは、息を整え、急な斜面を一歩、また一歩と上って行った。

なぜそう思ったかと言うと、わたしがフランスでお会いした

日本人女性のご主人が、ロッククライミングをされていて、

上りきったところで心臓発作を起こして急死されたことを

お聞きしたからだ。享年50歳とまだまだお若い時だったのだ。

 

頂上について、大西洋が見えた時は、急に座って休憩するのを避けて、

しばらくの間、立っていた。

上り切った達成感があった。

写真を撮った。携帯でふつうに撮ったらこんな風に写った。

向こうに見えるのが大西洋。

 

 

写真を撮っている時には、帰りにはあたりは真っ暗になり、真っ暗な中、

急斜面を下りて行かねばならなくなった。

夫がカニのように横歩きで下りるようにわたしに

アドバイスをした。次男は、わたしのそばに来て、

携帯で足元を照らしてくれ、ふつうに下りた方が

いいとか、いろいろアドバイスをくれながら、

平らなところに来るまで、根気よく付き合ってくれた。

下りきったら、夜の10時40分だった。

真っ暗闇だった。

 

夫と次男は暑いので、ホテルでクーラーの温度調節を

温度を低めに設定していたようだが、おなかが冷えると、

おなかをこわすわたしは、案の定、寒すぎたのか夜中に

腹痛を感じ、トイレに駆け込んだ。

なかなかハードな旅行の幕開けになった。