フィルがよかった‣オーダーメードのメガネみたい | 音楽すること・生きること

音楽すること・生きること

フランスに住んでいます。結婚、出産、国を超えての度重なる引っ越しを経てフランスに在住、長男が小学校5年生の時から仕事を
再開。その1年後にジャズピアノを始めました。
音楽・その他、日々の出来事を綴っています。

先日、コンサート前最後のジャズアンサンブルの授業が

あった。

今年はアンサンブルのある日が

フランスの休日に当たったり、ポンとよばれる連休に

なったり、先生も演奏のツァーでいなかったりで、

1か月くらい会っていないような気がする。

 

前回の授業ではBrigas Nunca Maisの耳コピに集中していて

他の曲を一切練習していなかったわたしは

Dreamsvilleのオブリガードを耳コピした物をコピーした

楽譜を見て弾こうとしたが、覚えていなくて

いつのタイミングで入るかもわからず、

ボロボロになった。

そのボロボロになった日は、この曲をやろうと言った

ドラマーが休みだったからまだよかったが、

わたしは不安になって、「コンサートで弾くのは

やめた方がいいのでは、・・・」と

弱気なことを言った。必ずリアクションを返してくれる

甘いマスクのギタリストもさすがにフォローもできないくらい

わたしがボロボロだったので、こう言った。

「ぼくにはわからない。」

この授業担当のジャズピアニストは、

クールに一言だけ言った。

 

「覚えて弾かなきゃ。」

 

実は、覚えようとちょっとは見ていたが覚えられなかった。

その頃、つっち―という日本のジャズピアニストの

動画を見た。

即興の話をされていた。

興味を持って聴いている時に、

あれ、左手でコードを弾きながらオブリガードを練習したら

どうだろうと思いついた。

コードと関連なく、メロディーとして覚えようとして

ブロックされていたのだ。

そのボロボロになった後の授業が最近あったが、

何があってもめったに褒めない

厳しいジャズピアニストがわたしに言った。

「フィルがよかった。」

日本語で言うオブリガードのことだろう。

普段、めったに褒めない人に褒められてうれしかった。

 

もう一つうれしかったことは、一緒のアトリエに参加している

超絶技巧のビブラフォンの若者がいるのだが、わたしは

前から、嫌がられているような気がしていた。

なぜかと言うと、わたしがここのクラスのメインのピアノだが、

ジャズピアノのすごく優秀な若い生徒がいて、

先生からも、ぜひ個人のピアノのレッスンの後に

アンサンブルのクラスに

残って一緒に弾いていけ、二人のピアニストでは

どういうふうに勉強したらいいかわからないが、

残れないのか?と執拗に繰り返して尋ねるほど、

大事にされている優秀なピアニストの卵だ。

たまに彼が残って、一緒に参加したりしていたが

彼がわたし達のアンサンブルの授業に来ないと、

一緒に演奏したいビブラフォンの若者が

「くそったれ!」と苛立ったりしていた。

わたしでは、この子のレベルにあわないので、嫌がられて

いるかもしれないと言う考えが頭をよぎったことがあり、

寂しい思いをしたことがあったから胡散臭がられているような

気がしていた。わたしがジャズ編曲に年度の途中から

聴講しに行き始めたら、この若者もいて、

週2回会うようになった。

たまに話すくらいだったが、先日、アンサンブルの授業が

あった時に、時間差で、お互い、パーキングに入ったようで、

開いた車の窓からわたしの方を見てうれしそうに

わたしの名を呼ぶではないか。

「やんぱっぱ!(このブログでの仮称)」

わたし『マジ?!』

わたしも笑顔で手を振り、でも、2・3分

遅刻していたし、1人で早歩きしていった。

彼は大きいので、あっという間に抜かしていくだろうから

そのまま歩いて行ったのだ。歩幅も歩く速さも

1・5倍はありそうだ。ただ、大声で名前を呼ばれる

くらい親しく思ってくれていると思うとうれしかった。

 

第二の今日のおしゃべりは、新しいメガネの事だ。

お友達で、なおかつ、

最初のピアノの手ほどきはぜひわたしにしてほしいと、

わたしの働いている学校まで習いに来られている方に

久しぶりにお会いした。

バカンスに発たれていたのでわたしの新しい眼鏡姿を見るのは

初めてか2回目かになるのだが、

オーダーメイドと見間違えるほど、わたしに似合っていると

言ってくれたのがうれしかった。