フランスではチックという名で呼ばれている虫は、調べると
日本ではマダニと呼ばれているらしい。
わたしがの本で育ったところは、緑が少ないところだったので
あまり、聞いたことはなかったが、この辺りの緑の多いところに
住むようになってから、
チックの名は、時々、聞くようになった。
今は春休みで、次男も長男もよく外で遊んで帰ってくる。
次男がおなかを見せにきた。
「これ見て。」
わたしはショパンの変ホ調のノクターンを弾いていた手を止めて見た。
黒い点を指さしていた。一瞬、虫かもと思ったが、
ギザギザの足も見えなかったし、
長男のマダニみたいに血を吸って赤くもなかったし、はちきれそうにもなっていなかった。
「ほくろでしょう?」
次男は答えた。
「きのうは、ここに、なかった。」
この頃は、仕事で遅くなり、夜の11時ころに帰ってくる夫だが、
きょうはたまたま、仕事場で工事が行われると言うので、
職場のものは全員、帰るように指示が出たと言うことで、早く帰ってきていた。
「パパに見てもらいなさい。」
わたしには、ほくろに見えたが、他の人の意見も聞いた方がいいと思ってそう言った。
しばらくして、夫がいったりきたりして、コンピューターで何かを調べていた。
再びピアノを弾く手を止めて、振り返ると、机の上に紙をしいて、その上に小さい、
足に毛の生えた黒い虫があまり速くもなしに動いているのが見えた。
「チック!」
わたしは次男のおなかにいたのがチックだったと、すぐにわかった。
夫はピンセットで押したが、チックは平気で、動き回っていた。
わたしは長男がチックを見せにきたときに、インターネットで見た記憶から、
チックはとても強い虫だから、トイレに流さないといけないと書かれていたような覚えがあると言った。
そう夫に言うと、彼は、トイレに行って、流した。
失敗があって他の誰かに上ってくるといけないので、わたしもトイレまで行って
途中で逃がしたりしないように一部始終見ていた。
血を吸う前のチックは見たことがなかったので、見逃していた。
夫がいてくれて助かった。
発見が遅れて感染症をもらうと、一生、薬を飲み続けなくてはいけない怖い虫だから。
長男の時のチックの話はこちらから。
薬局に行って専用のチック取りの道具を買ってこようと思った。