長男の ダンス・シューズ(1) | 音楽すること・生きること

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フランスに住んでいます。結婚、出産、国を超えての度重なる引っ越しを経てフランスに在住、長男が小学校5年生の時から仕事を
再開。その1年後にジャズピアノを始めました。
音楽・その他、日々の出来事を綴っています。

去年、長男のダンス・シューズを初めて買った。、パリのサン・
ラザール駅の近くのダンス用品専門店で買った。

当時、ダンスのレッスンは土曜日だったので、夫が運転して長男を
バレエのおけいこに通わせた。新学期が始まり、何回かおけいこが
あり、クラスの全員がタイツもシューズもそろえているのに、長男だけ、
Tシャツとカルソン姿で はだしで踊っていた。見かねた、先生が
夫にいつそろえられるのかと尋ねたらしい。夫は、美的感覚に全く
こだわりのない男だ。そういう意味でもモンスター。Tシャツでさえ、
ロゴ入りのものでもバレエのクラスに着せていって何でいけないんだ
というタイプ。
バレエという芸術は、鏡の前でクラシック音楽にあわせて、目で見て、
耳で聴いて、体で感じて、内容を理解して、それを表現するしていく、
動きを磨きぬいていく。
そういう場に、ロゴいりのTシャツってのは、たとえば、ハンバーガー
のイラスト入りのTシャツなんかを着ていったら、グループレッスンの
雰囲気ぶちこわし。正装で行くところを下駄履きで行くようなもんだと
思うのだけれど、いつも下駄履きバンカラ風が居心地よいと思って
いるような夫だ。わたしが言ったことを、理解していないことぐらいは
わかっている。でも、先生の言うことは「ミコトノリ」にように思っている
オットー(夫)は、おくればせながら長男のタイツとダンス・シューズを
買ったのだった。初心者用のたしかドゥミ・タロンというものだった。

人より遅く買ったけど、5月24日のブログ「ダンスシューズの穴」を
読んだ人はご存知のとおり、長男のダンス・シューズは、一度
穴あきになって、わたしが繕った物だ。新学期になってから三回目の
バレエのおけいこがきのうあって、はじめて男の先生に挨拶に行った。
先生に、バレエのおけいこに参加するのに、健康診断書がいるか
どうかきくためだった。その話をした後で、先生がわたしに言った。
「ダンス・シューズを変えたほうがいいですよ。」
「あっ、小さくなりましたか?」
先生が口ごもった。「えーっと、そのう・・・」
「穴があいているんですか?」
先生がそうだと言った。(続く)